WELLA DiaryINDEX|past|will
夫と二人顔を突合せてというか、ひとつ部屋にいてそれぞれPCに向かう週末。仕事の合間に出張予定先のサイトとか、うちの近所の□ーソンの場所とか調べる。この間の旅行記を書くについて他の人のサイトを読んだりもする。ここ1〜2年ぐらいで特に感じるのは、日本語だけでかなりの情報が手に入るようになったことである。旅行記などは従来の日本人の(?)海外旅行好きに加えて、デジカメの普及やWebページ作成や書き込みの垣根の低さから、詳細な情報をまめに載せる人が増えてきたように思う。旅行社のパンフレットなどもPDF形式で見ることができるので、「まさにいながらにして世界を旅行できる」感覚である。その気になれば写真入りの架空の電脳旅行記をでっち上げることもできる。このようなネットのメリットを十分享受できるほど、日本でもネット上の情報流通は成熟しつつあるように見える。ネットがなければ、というより精度の高い検索エンジンがなければ、生きていけないと感じさせるほどに、インタネットは我が家の生活に浸透している。一方でいまだに検索エンジンなしで生活をしている人たちも大勢いるし、若い世代は検索エンジンで探し出せないものは(たとえそれが検索の不手際だとしても)この世に存在しない情報であると思い込んでいたりもする。 ところで、ネットでのプライバシーが問題になっているが、悪意なく情報が漏洩した場合、どの程度の被害がわれわれに及ぶのだろう。大学で教員などをしていると本名がネットに載りやすいので、ハンドルネームと本名が何かの拍子で結びつくとあっという間に身元から普段の生活ぶりまでが見ず知らずの他者に知られてしまうことになる。いつだったかあるサイト主催者の主義でハンドルネームではなく本名で私のページをリンクされたことがある。そもそもハンドルネームでページを作るということに不自然さがあるのかもしれないが、このときはメールを出して事情を説明し、本名でのリンクをやめてもらったが、こんなチェックもいつまでもできるわけもない。 ついこの間も本名で検索してみたら、自分が把握していないページがいくつか出てきて驚いた。ひとつは非常勤先Lの学生有志が作っている授業評価のページで、一応パスワード管理されているものの、一部キャッシュで読めてしまう。勝手にこういうことをされるとなーという不快感が先に立ちつつも、早速ユーザ登録して自分の評価を読む。一部事実誤認があってそれも不快感を増長させる。といいつつも気になる何人かの同僚の分も読んでしまう小市民のサガ。 先ほどの架空の電脳旅行記のように、ネット上の情報をいくつかつなぎ合わせてあるモデルを具体的に特定するのは、実はゲームのようで面白い。つい先だっても、ある講演予定者がいつまでも略歴を送ってくれなくて困っているという同僚のために、検索エンジンを駆使してその講演者が過去にネット上に載せた略歴をつなぎ合わせたことがある。この場合はすべて善意であり、正しい目的のために使われたと信じている。しかし、そうでなかった場合、つまり悪意でこれらがつなぎ合わされた場合は、単なるネットストーカーである。今後第三者による情報公開が進むにつれ、つなぎ合わせるパッチの数は急増するだろう。増大する敵になすすべもなく立ちすくむ。
|