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お仲間の掲示板で「やっぱり村上春樹の話題が出ると同年代という感じがしますね〜」という主旨の会話がなされていて、そうか、そうだったのか、と軽いショックを受ける。同年代というのは、大雑把に30代半ばぐらいの人々なのだが、そういえば、周囲には村上春樹が好きという人がかなりいる。そうかみんなの青春時代にとって村上春樹は特別なのか。 私はといえば、最近はすっかり読書から遠ざかっているが、今よりずっと本を読んでいた頃でも、なぜだか村上春樹に手は伸びなかった。もちろん「ノルウェイの森」が赤と緑の表紙をならべて、長い期間書店で平積みになっているのをよく見かけた記憶もあるし、彼の代表作のいくつかの名前をすぐに挙げることもできる。週刊朝日は割と読んでいたので、連載中の村上朝日堂をなんどか読んだ記憶もあるはずだし(安西水丸のイラストが印象的)、20代半ば頃たまたま書店でみかけた「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の文庫を上下巻買い、世界設定が面白くて一気に読んだ記憶もある。今でもふとポケットに手を入れてバス停に突っ立っていたりすると、主人公の「計算士」という職業を思い出したりもするのだが、どういうわけかそれ以上彼の作品を読んでみたいとは思わなかった。それから最近では新訳で話題になった「ライ麦畑でつかまえて」も買った。それでも、私にとって村上春樹は一つのジャンルであり「村上春樹というもの」以上にはならない。 そうか、同年代の青春の書なのか。夏休みの宿題で、自分では自由研究だけと思っていたのに、9月になって学校に行ってみると同級生達が観察日記のヘチマの話なんかしてて、え、そんなのあったけ(今からじゃ間に合わない…)、と愕然としているような気分だ。
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