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日曜日に晴海のトリトンスクエアに行ったときに大道芸を見た。いわゆるジャグリングである。広場を通ったときに人だかりがしていたので何気なく輪の外からのぞいて見て、面白そうなのでそのまま足を止めて最後まで見てしまった。 芸人は金髪の西洋人で、明るい青のだぶだぶのスーツに派手なネクタイ、太い黒ぶちのメガネをしている。私たちが見始めたときはテニスボールを6個ぐらい使ってお手玉をしていた。観客の一人の少年が横に立って、もしテニスボールが落ちてきたら手にもったシルクハットで受けとめる係りをおおせつかっている。リズミカルにお手玉は続き、係りが不要かと思われた頃、ぽん、ぽんと少年が持つシルクハットのほうにボールがこぼれていく。少年がシルクハットを張り切って持ち上げるたびに、観客の拍手喝采。少年がますます張り切って3度目のボールを受け止めようとすると、落ちてくるかに思われたボールはひょぃと芸人の手の中に収まってしまう。 続いて天井の高さほどもある一輪車。さっきの少年を支えにして一輪車によじ登ろうとするが当然助けにはならず、観客の中の屈強な男性を頼りに車上の人へ。わざとコントロールできない振りをしてコミカルによろめいて見せる。興奮する子供たち。ちょっと心配な大人たち。さらにバトンを3つ観客の少年に手渡してもらい、火をつけてジャグリング。その芸人はほとんど日本語を話さないので、意志の疎通が今ひとつとれないのだが、その彼のもどかしいようすがまた観客の笑いを誘う。 一輪車に乗りながら、火のついたバトンのジャグリングをしながら、今度はあたまにかぶったヘルメットを回し始める。ヘルメットには支柱がついていて、その先にくくりつけられた紐の先端には模型の飛行機があり、大道芸人の頭が回るにつれて、その周りを飛ぶ飛行機からはシャボン玉がいくつもいくつもふきだしてくる。あたり一面、無数のシャボン玉に包まれて、おもわず「うわぁ〜(^o^)♪」という幸せな歓声があがる。シャボン玉を追いかけて「きゃあきゃあ」と走り回る子供たち。 一連のショーが終わって芸人が「ミナサマノ オキモチヲ ココニイレテクダサイ」とシルクハットを中央に置くと、舞い上がるシャボン玉のように子供たちが手に手に小銭を握り締めて集まってくる。子供たちはもちろん大人もニコニコしている。口々に楽しかった、面白かったといいながら三々五々散っていった。 日本人は大道芸に対して渋ちんであると思っていたが、本当によいものにはおのずと賞賛と対価が集まるものである。ヨーロッパではよく大道芸を見ることがあるが、イタリア人の須田さん(仮名)もあんなにエクセレントなものは見たことがない、と感心していたのであった。
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