プロジェクト推進力とは可視化と動機付けである。 こんなことはどの本にも書かれていない。 自分の経験から見い出した見解である。
この様な真理は二〜三年目迄の若手に言っても響かない 彼らはまだ自ら試行錯誤する期間であるからだ。 回り道でも良いので彼は彼のルートで成長をすることが重要なのである。
今この目の前にある仕事で答えを告げるよりももっと大きな実をとれる選択をする。 それが中長期視点だ。
10時からのミーティングまで時間があったので若手の作った会議資料を見ながらそんなことを思っていた。
細かいアラまで言い出すとキリがない。 でも自分はこう考えていて、故にこう言いたいという跡は見えていた。 行き先も何も解らずに皆からやんや言われたことをなぞるのではなく、自分で思考を重ねている跡が見える、そんな資料だった。
ただ、「さて、次はどうする?」 と問われた時の回答は見えてこない。 現在までの整理に100%のパワーを使っている状態である。これだとプロジェクトは駆動しない。そりゃそうだ。過去と現在と未来に1:1:1位ではパワーを配分したい。過去は未来との整合性を考える上で重要な観点だ。過去を無視した未来はこうしたいだけでは誰も動かない。根拠もなく実態もないからだ。これまではこうしてきているから、今後はこうしたいと言って初めて主張となる。
プロジェクトを駆動するには、その行き先を推進者が一番見ようとして、そしてそれを皆に齟齬のないように示さねばねらない。これが可視化だ。おぼろげながらでも、先を可視化すると、それぞれがすこしづつでも自発的に動ける様になる。そうなると「これでいいかな?」と聴いて来る様になるのである。
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