いつもの日記

2002年07月30日(火) 雲の上で

「命は短いんだから他人のために時間を費やさなくていい。自分のためだけに費やせばいい」
と彼女は言った。

それは聞いた時、僕は最もな意見だと思い、「そうだね」と同意した。

白い雲の上で再びその言葉を思い出し、頭をまっさらにして改めてその事を考えてみた。

彼女のような言葉を発する人は、いつも自分の道に自問自答している人だと思う。
思慮深い人だからこのような言葉を発するのだと思う。

しかし、このように考えるのは、単に思慮深いだけではなく、
食べていける事が不自由無く可能になった日本人であるということが原因にあるだろう。
そして、どこまで自分のために費やしても結局のところ満足が得られないから、
何度も言葉に出るのだろう。

本当に真剣にやるところまでやり切らないと、いつまでたっても満足は解消されない。
いや、どこまでやろうとも永遠に解消されないものかもしれない。

これは一般論では結論が出ないと思う。だから僕はこう思う。
自分の納得するようにすればいい。
自分が経験して得たものが一番の指標になる。
本や他人から受けるものなんて所詮は薄い。

でも、何も考えずに好き勝手やれば良いわけじゃない。
思い悩んで、色んな事をやれば、自分だけの指南書ができるはずだ。

僕はその時、村上春樹の1973年のピンボールを読んでいた。
「考えて5年生きる方より、何も考えずに5千年生きるほうがよっぽど楽だ」
と鼠が言っていた。


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