先日、本屋で最近文庫化された「神の子どもたちはみな踊る(村上春樹)」を見つけた。
僕にとっては待望の文庫化であった。 よく「待望の2ndアルバム」とかいうキャッチコピーを見かけても、 「誰も待望なんてしていないよ」って思ってしまうのだが、 僕にとってはこの文庫化は本当に「待望」であった。
それで僕は自分の過去に「待望」ということをしたことがあったかと考えてみた。
遠足や旅行やなにかの大会は自分の事であるから、誰しも「待望」するかもしれない。 でも、他人事の場合は所詮は他人事なのでそこまで「待望」したりするものではないと思う。 だから「待望の2ndアルバム」とかいうフレーズは、「嘘っぽい」と思ってしまう。
僕は昔からこう考えているから、今まで他人事を全然「待望」した覚えが無いのだろう。 もちろん、ドラクエ3をスリするほど「待望」していないし、 チューブのベストアルバム・TUBESTも「待望」していない。
このような状況の元、人生で初めての「待望」を 「神の子どもたちはみな踊る(村上春樹)の文庫化」によって果たすのである。
「この単行本が出てからようやく彼のファンになった。 単行本を買うほどのお金を使うのがもったいない。」 というのが、ただ僕が「待望」した理由であるかもしれない。 そんな下らない理由であるかもしれないが「待望」ということにはかわりは無い。
|