「くっそ〜!よくもよくも大介を!」
機関銃で撃たれて先ほど息を引き取った大介の体を抱えて、唐辛子警部は叫んだ。
「くそ!あのアメリカやろうめ〜」
こうなると唐辛子警部をもう誰も止められなかった。
彼の血は逆流し、更に顔は真っ赤になっていた。 そして彼は、我々のバリケードを飛び越えて、アメリカ本隊目掛けて突っ込んで行った。 私達のバリケードの周りには先ほどアメ公が地雷を仕掛けていたことを、 唐辛子警部を含め我々は知っていたにもかかわらずにである。
「やっやっやめろ。そこは地雷地帯じゃないかぁ!」
私は声が出るだけ出した。一生のうちでこんなに叫んだ時はなかった。 これほど声が出る自分に驚いたほど声を張り上げた。
しかし、唐辛子警部にはこの声は届かなかったようだ。 彼には耳がないのだ。仕方あるまい。
私があきらめた時、バリケードの前方で大きな爆発音がした。
「盆!」
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