トウモロコシとトマトが実家から届く。 俺の家は兼業農家だから、家でとれたのを送ってくれたようだ。
土のついた新聞紙にそれらは包んであった。 あぁ土の匂い。昔の頃を思い出す。 野山を谷を駆けずり周ろうと企みながら、家でファミコンをしていた頃を。
さっそくトウモロコシをレンジでチンして、トマトは生でいただいた。
うん、美味い。
期待通りの味が口の中で広がる。期待以上ではない。 というのは最初から満点しか期待してないからだ。 だから、トマトやトウモロコシを審査する時はだけは、俺は岸朝子になるようだ。
「おいしゅうございます」
まだ切ってないトマトやトウモロコシを見ながらそんなことを言ってみる。 反応は無いが仕方ねぇ。それが野菜だ。青春だ。
「ごちそうさまさまでした。ありがとうございました」
うちの親に、これらをこしらえた自然に、荷物を届けてくれたヤマトに、今日も感謝する。
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