2004年11月12日(金) |
一時帰国日記:1年半ぶりに、日本へ。 |
考えてみれば、年月の経つのは早いものだ。思考が現実に追いつくには、時間が必要なこともある。1年半の間、一度も帰国していなかった。その必要がなかったからだ。あるいは、より誠実に言えば、必要があったにせよ、それを認めなかったからだ。
JFK行きのバスは、グランドセントラル駅の前から出発する。冷たい小雨の中、やや緊張してバスを待つ。雨は不透明な空から落ちてきて、待合室の汚れたガラスを伝う。普通の平日と同じように、人々が忙しく行き交う。
ある意味、この一時帰国が今後の人生を決めてしまうことになるかもしれない。先行きは決して透明ではない。人生の岐路というものは、このように淡々と訪れるものなのだろうか。しかし、いかに大袈裟な予兆もなく静かなものだとしても、それが大きな賭けであることには変わりない。この与えられた任務を遂行しているうちに、世界観が変わってしまう可能性すらあるのだ。非常に大きなものを獲得できる可能性もあれば、全てを失う可能性だってある。
黒人のスタッフが、行き先を確認して回っている。老夫婦が大きな荷物を抱えて雨宿りをしている。滞在中の予定がほぼ一杯になっているスケジュール帖を繰り返しチェックしているうちに、バスが来た。
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