昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
土曜日のこと。うーん、細かい事はほとんど忘れたなあ。でも、ひねり出すように思い出してみる。
午前中、町会費を集めに近所をまわった。またこの季節がやってきたかと、少々うんざり。集金するって、どうも気が重い。 4件まわる。91歳のひとり暮らし元気おばあちゃんのところへも行く。あーお金ないわ、と言うので、じゃあ出直します、と帰りかけたら、いやいや小銭がないということやで、と引き止められて、ほうらこれを見てみろ、と奥の部屋から一万円札のつまった財布を持って出てきた。10万円づつ色とりどりのゴムで止めてある。赤やら緑やら黄色やら青やらの輪ゴム。この色分けしてあるの、なんか意味あるんですか、と聞いてみたら、「ない。意味なんかない。」と断言されてけっこう男前だった。そうだね、意味なんかないよねー。 一万円札を預かってお釣りを渡し、家に大金置いておくの危ないですよ、と言っておく。おばあちゃんは、うん銀行に入れてくる、と神妙な顔つきをしていた。
午後から、畳に寝そべって、リンゴを食べながらジャームッシュの長篇デビュー作め「パーマネント・バケーション」を観た。 この映画を観るのは高校生の時以来。モノクロ映画だと思い込んでいたのに、見返してみるとカラーだったのでちょっとビックリした。この映画で、チャーリー・パーカーのことを知り、すごくクールだ、と感激して、河原町の十字屋でCDを一枚買ったことを覚えている。それからロートレアモンのことも知った。世の中にはカッコいいものがたくさんあるんだと思った。 16歳の青年がニューヨークの裏通りをぶらぶらと徘徊するだけの映画。友達とも母親とも心が通わないが、街にいる「道」をそれた人たち、ジャンキーや旅人やサックス吹き、などには、妙にシンパシーを感じる青年。どんなふうにでも生きられるんだ、例えばこんな風に、という気軽さで、車を盗む。その車を売りとばした金で、青年は船に乗って旅にでる。人生は永い休暇みたいなもんだぜ、パーマネントバケーション。 高校生の頃の私は、なるほど私もこういう具合に生きたいもんだ、と思ったが、34歳の私は、車を突然盗まれてしまった女の人の気持ち、その来し方行く末を思いやってしまう。これが約20年弱の歳月というものだろうか。
夜になると、冷え込んできて部屋にいると寒くて、なんとストーブをつけた。ストーブの脇で、ボチボチと本の整理など。0時すぎには眠る。
・購入物:なし
・朝食:トースト、ヨーグルト、バナナ、グレープフルーツ、珈琲 昼食:リンゴ半分 夕食:鮭のムニエル、ベーコンをガーリックで炒めたソースをかけた新玉ねぎと新キャベツのサラダ、冷奴、ほうれん草のスープ、麦酒、ちょっとだけごはん
|