昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
朝まで雨がのこる。だんだん晴れてくるが、昼過ぎになって一転にわかにかき曇り、しばしの間ザアッと雨が降った。洗濯しなくてよかったとホッと胸をなでおろし。夕方になって再び晴れる。夜は少し冷える。ホットカーペットのスイッチを入れる。
昼休み、銀行へでかけたついでに旭屋に寄って、文庫を2冊買う。庄野潤三と村松友視を。幻冬舎文庫を買うのはとても久しぶり、という気がする。財布からお金を出すのに手間取っている間に、ブックカバーをかけられてしまう。旭屋のカバーは見慣れぬブルーのものになっていて、表紙の左隅にボーッとしたウサギみたいなのが描いてあった。
午後7時半頃帰宅。今日も寄り道せずまっすぐ帰ってきた。昨夜ゆがいておいた筍を使って、筍ごはんを炊いて、土佐煮を作る。 ごはんの後、ビデオで「宵闇せまれば」という実相寺昭雄監督の日本映画を観る。1969年の制作でモノクロ、45分の短編。以前、深夜放送で流れたものを録画しておいた。 実相寺昭雄といえば「ウルトラマン」や「帝都物語」で、あんまり期待していなかったのだが、夢中になって食い入るようにみてしまった。 アパートの一室に大学生がたむろしている。男3人女1人。何にもすることがないから煙草をくゆらせて賭け事をして遊んでいる。楽しいわけでもない、悲しいわけでもない、幸せでもない不幸でもない、がらんどうで無為な日々。女がお茶を入れようとして(ここのシーンはちと唐突)、あやまってガスホースに足をひっかけてしまう。このことがきっかけで仲間内のひとりの男が「ガス」を使ったゲームを思いつく。「ガスを充満させた部屋に一番長くいられるのは誰か、我慢比べしようぜ」。単調な毎日に退屈していた他の3人はこの突飛な思いつきを歓迎し、ガスの元栓を開け、4人はガスが満ちる小さな部屋にこもり続ける。 室内での会話劇だけれど、ただの遊びが次第に命をかけた真剣勝負になっていく過程と、ガスが漏れるシューシューという音がスリリングで、手に汗にぎる展開。ごくごくシンプルながら、低い位置からのカメラワークも新鮮だったし、いやあ面白かったなあ。 Tに聞くところによると、この「宵闇せまれば」は大島渚の脚本だとか。なるほど、そう言われればいかにも大島渚っぽい。
映画を観たあと、甘夏みかんを食べる。みかんの皮は捨てずにまとめて置いといて、湯船にいれて「みかん湯」につかるつもり。 洗濯機をまわして、弁当を下ごしらえをすませ、午前1時ころ就寝。
・購入物:庄野潤三「うさぎのミミリー」(新潮文庫) 村松友視「ヤスケンの海」(幻冬舎文庫)
・朝食:トースト、冷やしトマト、ヨーグルト(ブルーベリージャムを混ぜて)、珈琲 昼食:お弁当(卵焼き、キンピラゴボウ、千切り大根の煮物、ミニトマト、ごはん) 夕食:筍ごはん、筍の土佐煮、鯖の煮つけ、冷奴、小松菜とえのきだけのおひたし、水菜の漬物、麦酒
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