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壱カ月昨日明日


2003年11月02日(日) 古本と戯れる

 どんより曇り、時々雨。朝、雨が降っていると知らずに洗濯してしまった。部屋の中に干す。それから余っていたゴボウでキンピラを作った。

 お昼前になって空が明るくなってきたので、おでかけ。「劉生と京都展」を観に行くつもりだったのだが、百万遍で古本市をやっていることを突如思い出し、行き先変更、出町柳まで行く。
 まず出町柳の駅前のパン屋さん「柳月堂」でぶどうパンを買う。昔京都で働いている時、週に2、3回はここのパンを食べていた。何てことのない素朴なパンだけど、かめばかむほど味がしみでてくるようで、とてもおいしい。それから百万遍の知恩寺まで歩く。
 せっかく思い立ってやって来たけれど、相性が悪かったのかここでは一冊も欲しい本に出会えなかった。Tが古本と格闘している間、私は石段に腰掛けて、売店で買った昔懐かしいラムネを飲む。お寺から聞こえてくる読経をBGMにラムネを飲む、というのは妙にノスタルジックでなかなか良かった。
 結局古本市では何も買わず、知恩寺の隣の古本屋さんで、柳宗悦の文庫本を一冊買った。

 それから東大路通を北上し、住宅街をクネクネ抜けて恵文社まで歩く。恵文社は随分久しぶり、一年ぶりくらいかな。相変わらず客が多い。
 ここで和田芳恵の最後の随筆集「順番が来るまで」を見つけた。「文士の生きかた」を読んでから、私の中で和田芳恵ブームが起こりつつあるところだし、しかも装画と帯の言葉が岡鹿之助だ。この店に少しだけ置いてある古本は、いつもびっくりするくらい値が高いけど、これは700円とお手頃だったのでもちろん購入。はるばる歩いてきたかいがあった。

 まあ全体的には満足したのだけれども、帰りの特急の中で、「劉生と京都展」の図録を持っている人を見かけ、やっぱり岸田劉生の絵もじっくり見たかったなあと、ちと残念な気も。
 家に帰って、日曜美術館を見ながら朝作ったキンピラゴボウを食べる。正倉院展の様子を見ていたら、奈良にも行きたくなった。行ったり、見たりしたいものがありすぎて、体とお金がいくらあっても足らないなあ。

・購入物:柳宗悦「蒐集物語」(中公文庫)
     和田芳恵「順番が来るまで」(北洋社)  以上古書
     大谷晃一・編「織田作之助作品集1」(沖積舎)

・朝食:ねぎチャーハン、白菜とベーコンのスープ
 昼食:ぶどうパン、珈琲
 夕食:豚肉と玉ねぎの炒め物、キンピラゴボウ、白菜とベーコンのスープ、野沢菜、ご飯


フクダ |MAIL

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