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2003年08月22日(金) 「吾妹子哀し」

 一段と暑い。着物姿の上品そうなおばさま達が、暑いわねえ、でも心頭滅却すれば火もまた涼しよ、なんて言いあっていた。私は何ひとつ滅却できないので、暑い。

 所用があって三越百貨店に行く。上品なおばさまの会話を聞いたのはここ。相変わらず閑散としている。洋服なんか、ほとんど売れてないと思うけど、いいのかなあこれで。帰り際に、「日本一おいしい」らしい、シベールのラスク、ガーリック味を買う。

 梅田に戻り、第3ビルの古本屋さんで、前から気になっていた「座談会大正文学史」を500円で買う。この500円は安いと思う。それからジュンク堂でロジェ・グルニエを2冊買って、ご飯を食べて帰る。

 本日読んだもの。堀江敏幸「スタンス・ドット」、青山光二「吾妹子哀し」、ロジェ・グルニエ「フラゴナールの婚約者」、短編ばかり。どれもこれも大変良かった。
 「吾妹子哀し」は介護小説なんかじゃなく、恋愛小説だった。人を愛するということは孤独になることなんだ、だから誰もが孤独から逃れられないんだ、と思った。また、その人を守るため自ら進んで「銃口」の前に立つことなんだ、「さあ、撃ってみろ」って。
 人生の終盤に来て、主人公は多分最後の「銃口」の前に立つ。その姿はとても優しいなあ、と思った。

・購入物:ロジェ・グルニエ「編集室」(白水Uブックス)、「水の鏡」(白水社)
     柳田泉・勝本清一郎・猪野謙二編「座談会大正文学史」(岩波書店)古書

・朝食:昨夜の夕飯残り、卵焼き、ソーセージ、ご飯
 昼食:カレーパン、珈琲
 夕食:外食(焼き魚定食)
 

 


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