昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
昨夜は10時頃に寝て、目を覚ましたのが午前2時。すっかり目がさえてしまったので、宇野浩二の「あの頃の事」を読む。 この小説というのが、母親と暮らす作家志望の男が主人公で、全く仕事がなく、やっと仕上げた翻訳も金にならず、苦労して手がけた賃仕事も思うようにいかず、どんどん逼塞し追いつめられていく、超貧乏小説だった。 物音もしない真夜中に、枕元のスタンドひとつの明かりで読んでいると、世界に自分だけが取り残されているような寂しさで、気持ちが布団にめりこんでいきそうになる。 よせばいいのに続いて、「子を貸し屋」まで読んでしまった。しばし茫然。 登場人物すべて善人で、それぞれ至極真っ当に生きているのに、ちょっとづつちょっとづつ、不幸になっていく。ほんの少しの望みなのに、なぜこうも叶わないのだろう。身を削るようにして、宇野浩二はこの小説を書いたのではないだろうか。すごい人。 気がついたら朝の6時。今日は一日が長かった。
午後から他社のWさんと打ち合わせ。やつれた芥川龍之介。この人、ホントにおとなしい。しゃべらないし、相づちもほとんどうたないから、話を理解してくれてるのかどうか不安になる。でもこの暗さ加減はけっこう好きなんだけど。 打ち合わせ終了後、芥川は「アナタはいつも元気ですねえ」と言って帰って行った。思いっきりから元気だよ。朝から本読んで泣いてたっつうのにさあ。
残業して、自転車こいで帰っていたら雨がザーザー降ってきた。傘持ってないって。家では洗濯物が雨にぬれていた。なんでこうなんの。がっくり。
・購入物:なし
・朝食:トースト、珈琲 昼食:梅うどん 夕食:温野菜のチキンソースサラダ、小松菜のゴマ和え、カボチャの味噌汁、キュウリ漬物、麦酒、ご飯
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