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壱カ月昨日明日


2003年07月04日(金) 「人心」

 夕方、フェスティバルホールの前を通りかかったら、ザワザワとたくさんの人がいた。見事に女の人ばかり。ダフ屋が、券ないか券ないか、と寄ってきたので何かと聞くと、フジキナオトのコンサートだと言う。誰だ、それ。
 帰ってTに、フジキナオトってどんな人?と聞いたら、歌ったり芝居したりする人やろ、と言う。そんなことわかってるわ、その辺のおっさんがフェスティバルホールでコンサートするわけないじゃないか。
 コイツでは埒があかんので、芸能通の友人に電話してみる。このドラマに出てた、あのドラマに出てた、と教えてくれたがどれも見ていないのでわからん。結局、「高校教師」の先生役というのでぼんやりとはわかった。でも、わかったところで何がどうというわけではなく、むなしい。
 あれだけたくさんの客が集まるコンサートをするような人を知らないなんて、そりゃ人と話があわないはずだわ。

 気を取り直して、宇野浩二「人心」を読む。ヒステリーの元妻と、子持ちの芸者の間を、ふらふらする作家の話。金はない、帰る家もない、腹は減る、女はヒステリーをおこして叫びまくる、もう八方ふさがりなんだけど、妙に落ち着いて冷静に対処する作家がなんかおかしい。独特の文体リズムで、ぐんぐん読める。
 このヒステリーの女と暮らした顛末が書いてあるのが「苦の世界」らしい。しんどくなる気もするけど、こわいもの見たさで読んでみたいかも。明日買ってこよ。

・購入物:獅子文六「悦ちゃん」(角川文庫)
     野坂昭如「新宿海溝」(文芸春秋)   すべて古書

・朝食:カボチャの煮物、味噌汁、ご飯
 昼食:チーズサンドウィッチ、牛乳
 夕食:ターサイと豚肉の炒め物、小松菜と小かぶの煮物、麦酒、ご飯


フクダ |MAIL

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