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2003年06月20日(金) 今戸心中

 久しぶりに洗濯物がパリッと乾いた。シミジミうれしい。
 
 夕食の支度をしながらサンテレビの「虎辞書なる」を観る。今日は1983年4月15日の巨人戦。小林繁が力投しているが、試合内容自体はそれほど面白くはなかったような。ショートを守る真弓を見ることができただけでも眼福。
 ここから1985年までが、私が最もしっかり野球を観ていた時期だ。初めて甲子園に行ったのもたしか1983年だったと思う。あれから20年もたったとはなあ。

 「明治の文学・広津柳浪」より代表作といわれる「今戸心中」を読んだ。いや〜良いです。はっきり言ってハマったね。
 ストーリーは題名のとおり心中もの。吉原の花魁が心から愛した男との別れに耐えかね、かねてから言い寄られていた客との死を選ぶ、という話。最愛の男との別れで身も心も傷ついて初めて、惚れられても邪険に扱ってきた客との間に、男と女を越えた何かが生まれるのだ。
 情景描写、人物描写の素晴らしさもさることながら会話文がめちゃめちゃ上手い。明治の文学者ってなんでこう会話文が上手いのか。
 それから男と別れた花魁が、こうすれば良かったああ言えばよかったと後悔する場面、迎えに来てくれる男の姿を妄想してみたり、別の女と結婚している姿を想像して涙にくれるところのたたみかけるような描写が、花魁の気持ちがビンビン伝わってきて切ない。

 喫茶店でこの小説を読み終え、いろいろ考えをめぐらせていたせいか、今週末から始まる映画の前売り券を買うのを忘れて、Tに怒られる。スビバセンネ。

・購入物:森田たま「もめん随筆」(新潮文庫)古書

・朝食:スナックパン、野菜スープ、珈琲
 昼食:梅おにぎり、コロッケ
 夕食:和風キムチ焼きそば、カニとキュウリのサラダ、麦酒
 


フクダ |MAIL

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