SprengerDiary

2004年02月05日(木) とうとう面倒に……

▼サイトのデザイン更新でもしてみようかと思いつき、ページを開いてみたものの、溢れんばかりの素材にため息。CGIの設置なんて面倒だし……ということで、レンタルCGIをゲット。
▼仕事は思いのほか順調。ただ、出版社からの問い合わせが最近になって急増。情報くれって言われても、今の段階じゃどうにも……。
▲新しい体制での仕事にも慣れたので、読書などをしてみる。amazon.comに登録。クレジットカードって便利だね。
▼「遺伝子の使命」L・M・ビジョルド/創元SF文庫
ぶらりと吉祥寺に出向き、ヴォルシリーズの最新刊を発見。迷わず購入といきたいところだけど、表紙の絵柄に一瞬躊躇。な、なんか軽薄。ライトな表紙を否定するわけじゃないけど、作品にあった装丁というのが……あ、でも、もうヴォルシリーズはこんな感じかw。ビジョルドの文章は相変わらず良い。というか、翻訳も良い。描写もいい。けど、でも、これはなんなんでしょ。完全にオリジナルとして処理すればいいような作品に思える。わざわざヴォルシリーズにする必要が見受けられない。シリーズの一部として栄える内容ならいいけど、そこまでいいとは言いがたい。上手いしそこそこ面白いけど、ビジョルドだからこそであって、このネタとストーリー展開はお世辞にも「面白い!」とは言えない気がする。不完全燃焼。このまま一年以上新刊が出ないと思うと、ちょっと切ない。
▼「ARIEL(20)」笹元祐一/ソノラマ文庫
地下の文庫コーナーから一階の雑誌・ハードカバーコーナーを経て二階の漫画・ライトノベルコーナーへ。ああ、前世紀中に終わらせると言っていたARIELがとうとう終了の模様。十年の月日をかみ締めながら、購入。うーん、なんともはや、まとめですね。それもお話のまとめというか、世界のまとめというか、そういうもんでは無くて、主張のまとめ。正直エンタメの小説としてはきつかった。これはお話の終わりじゃなくて段取りの終わりではないだろうか。そういえば、この作家さんは娯楽性よりも書きたいことを先行させる場合が結構あるように思える。そのパワーバランスが崩れる事もしばしば感じる。まあ、それならそれでいいのだろうけど、この最終巻はとっとと終わらせたかったか、まとめに入ったかのどちらかではないだろうか。そういえば、獅子王は復活しないのかな?
▼「四日間の奇跡」浅倉卓弥/宝島社文庫
誤解で購入した作品。オビの「このミステリーがすごい!」の文字に、てっきり前年の和書ミステリー投票一位と誤解。「このミステリーがすごい!大賞」なんて賞があるとは、夢にも思っていなかった。ただ、嬉しい誤解。巻末やら何やらを見る限り、有名な作品のようだけど、情報を仕入れていない隠居生活者の身からすれば、読んで判断するしかない。ああ、この人は描写が上手い。確かに新人離れしている。ただ、読んでいて本当に面白いと思えたのは100ページ目まで。大きな事件も展開も無い100ページ、その100ページを読ませる筆力が凄い。珍しいのは事件や展開が絡んでくると、事象に追われて筆力が格段に落ちること。消化すべきストーリーに重きを置き過ぎて、この作家の一番の魅力が影を落としてしまう。うーん、もったいない。読んでて思ったのが、誰かに雰囲気が似ているということ。浅田次郎だ。いい意味での泥臭さを持った浅田次郎に対し、こっちはそれが無くなった状態。泥が無い分パワーが弱いけど、泥は人を選ぶから。なんにせよ、次回作に期待。ストーリーテリングを追い求めたら、駄目になりそうな気がするけど。
▼「移りゆくこの十年 動かぬ視点」青木昌彦/日経ビジネス人文庫
経済学者のおっちゃんの本。情報としても考え方としても面白いし、比較制度分析に興味も湧く。が、なんつーか学者さんでも営業をやったことのある学者さんだと、こういう文章になってしまうのかと感じさせる。文体の中に、明らかに敵と味方が存在する。賛同者は味方、非賛同者は敵。そこまで極端な書き方は無いものの、やはりそういった所を読み取ってしまう。できれば、教える内容は同じでも、好感が持てる教え方をして欲しいものだと思った。ぶっちゃけ、経済学にはあまり興味が無いので、要点以外の所が目に付いてしまったような気がする。
▼「世界の有名人、最後の言葉」畔上司=訳/ヴィレッジ文庫
雑学本は結構好き。大抵忘れるから学として残らないけど、ちょっとした頭の刺激にもってこい。でも、失敗。中を見ればよかったんだ。一ページの一人の言葉しか書いてないなんて、白くてスカスカだなんて思ってもいなかった。今度からは重々注意する。そんな事を教えてもらった本。だけど、マルクスの最後の言葉はいいなぁ。
▼久々に読書感想文状態に。とりあえず、こんなもんで仕事に戻ることに。過去ログどうしよっかなぁ。


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