「お前を元気にできるのは俺しかいないと思う」わたしを元気にするために、彼が電話をくれた。そうかもしれない。結局、今のわたしには彼しかいないのかもしれない。 わたしのしあわせを願ってね。 わたしもあなたのしあわせを願うから。そう言いながら、心の中では反対のことを思っていた。 あなたひとりでしあわせになんてならないで。あとに続いた彼の声を聞いて、言葉が出なくなった。涙が流れ落ちるかと思った。 「おまえはしあわせになれると思うけど、 俺はそのしあわせに嫉妬しちゃうと思う」