住まい方は、生き方 津田 晴美 講談社 1996-10
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津田晴美さんの本は、ちくま文庫から出ている「小さな生活」くらいしか
持っていなくて、他にも何冊か図書館で借りて読んでいる。
(「毎日が旅じたく―everyday is a day trip」とかね。)
今読んでいる「住まい方は、生き方」は、とても気に入ってしまった本で、
いっそ Amazonユーズド で買ってしまおうかと悩んでいるくらい。(笑)
何が良いって上手く表現できないから、「知りたい人は読んでみて下さい」
としか言えないのだけど、今読んでみても1996年に出版された本とは
思えないくらい、内容が洗練されていて、一本筋がしっかり通っている。
というか、津田さんの書く本は、どれも筋が通っているのだけれど。
この本の中では、特に、第2章「好きなものに囲まれた暮らし」の
最後の方のセンテンスが大好きで、つい何度も読み返してしまう。
「日常のリネンに愛を」という節と、それに続く「極上の肌触りを
知る幸せ」という節は、布好きの私のお気に入りだ。
ヨーロッパでアンティークリネンが大切にされていることに触れつつ、
以下のような文章がある。(7年も前の本なのに!)
日本では、中古のシーツやピロケースを買うなんて、考えられないこと
でしょう? ファブリックに対する感覚が違うと言ってしまえば
それまでだけど、「布なんて、使い捨て」といった風潮が、この国では
一般的なのではないかな。だから日本でベッド・シーツを探したって、
ロクなものが見つからないのかもしれない。
「ファブリックはいいものを大切に一生使う」という感覚が、
ヨーロッパにはある。ダウン、スロー、キルトといったアイテムを
季節によって使い分ける楽しさも、彼らはよくわかっている。日本人が
こういう感覚を持てるものといったら、着物ぐらいではないかと思う。
最近は日本でも一部で麻ブームで、私もそんなブームに乗っかって(苦笑)、
麻の布で出来たものを(布巾を中心に)買い揃えてみたけれど、
できれば一過性のブームではなくて、長いこと大切に使い続けていけるよう
心がけたいと思っている。
特に寝室のシーツには、お金の許す範囲内で身の丈にあったもので
いいからこだわりたい。麻100%のシーツ、この間はじめて無印良品で
買ってみたのだけど、実はこれがなかなか心地よいのだ。
あの手頃な値段のものでこれだけ良いと感じられるのだから、上質な麻なら
尚のことだろうと思うとドキドキする。(笑)
麻のシーツは洗いたてもいいけれど、一晩寝て少しクタッとしたのもいい。
毎週末できれば毎日でも洗って、洗いたてをかけ直したいと思うほど。
そして、洗うごとに、使い込むごとに更にクタクタと柔らかくなった極上の
状態に、早くお目見えしたいと思ったりもする。
もし、またいつかヨーロッパへと出かける機会に恵まれたなら、
アンティークのリネンを扱う店も是非覗いてみたい。
流行とかミーハー心は別にして、また、部屋に合うか合わないかとか、
買うか買わないかはともかくとして、ファブリックやリネンに対する意識を
見つめ直すには、とてもいい勉強になると思うから。
物心ついた時から布が好きだからこそ、「布なんて使い捨て」という
寂しい発想だけはしたくないと思う今日この頃です。
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