えびたま

2019年09月19日(木) 薔薇の棘が刺さった指が痛い

パソコン作業が終わったが
まだ出さなきゃいけない書類もある。
けど、今日を逃したらレイトショーしか無くなる映画を観に
仙台フォーラムへ。

「存在のない子供たち」
レバノンの首都ベイルートを舞台に
貧困の家に生まれ、
自分の誕生日もわからず、身分証明もなく
書類としては存在しない子供ゼインが主人公。
傷害罪で服役中のゼインが、両親を訴えたところから始まる。
移民や難民が街に溢れ、犯罪、暴力、虐待の中で育つ子供たちの
現実を目の前に突きつけられる。
幼い妹は、初潮を迎えるとアパートの大家に嫁に出され
それに反抗して家を出た主人公は
たどり着いた街で不法就労のエチオピア人の母子と
暮らし始める。
このエチオピア人の赤ちゃんの存在感がすごい。
1歳前後だと思うけど、中身は大人なんじゃないかというくらい。
ゼインが絶えず涙目なのが辛い。
エチオピア人母のラヒルも。

キャスティングは全て演技経験のない人たちばかりなのだそだ。
そして、それぞれの人生が登場人物のモデルとなっている。
人生に裏付けされた視線や表情だったのか。
どのひとも迫力がある。

両親や大人だけを悪者にするだけでは済まない問題提起。
そして、貧困や絶望が、
普通の生活のすぐ隣にあるかもという恐怖感。
それを観客として観ていることに不条理を感じる。

我慢して観ていたのだけど
ラヒルが息子と再会するところでどっと泣いてしまった。
この余韻で涙もろい一日。


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