えびたま

2005年04月07日(木) 「水の戯れ」を観る!!

3projectの打ち上げでoffice-over.みちやくんが
この芝居が好きだと言ってて
そういや数年前ビデオにとったきり観てなかったなと思って。

何で今まで観なかったのだ!?
尾美としのり出てんじゃん!!
最近、クドカンのドラマやなんかでみせるあの胡散臭げな
いい雰囲気が、既に出てんじゃん!!
悔しい。やはりわたしのアンテナは錆びている。

やっぱりあの独特の空気感が好き。
痛い女たちが好き。
それに右往左往する、多少頼り無げな男たちが好き。

小さな洋裁店が舞台。
その店の長男が串田和美。貿易か何かやってて
海外を飛び回ってる様子。中国人の恋人を連れて来ている。
次男が竹中直人。洋裁店を継いで、家を守っている。
三男は13年前に自殺して
その妻の樋口可南子が時々この店に出入りしている。
次男の友人の警察官が尾美としのり。趣味で小説を書いてる。
それに樋口可南子につきまとい、親友の彼にちょっかい出さないでくれと
つめよる浪人生の女の子。

あの静謐な空気の中で
登場人物たちの関係の糸が太くなったり細くなったりするのが
痛い程にはっきり感じられて
絶えず胸がぎゅっとするんだよう。
意図的な言葉の暴力、行動の暴力がちりばめられていて
でもそれは淡々と在るものだから
気付くと切り傷ができてたり流血が起こっているという感じ。
エッセンスだけ抜き出せば、すごく嗜虐的。
だからこそ、ラストああなっちゃうのかとも思えるけど
しかし観てるときは結構驚いた。

ものすごく日常に沿った作りなんだけど
やっぱりこの密度が凄いんだと思う。
こういう本が書けたらねえ。
あんなに痛いのにちゃんと笑いもあるし。

岩松了本人もやっぱり出ていた。
しかし、やっぱりこの作品でも彼本人だけが異物に見えた。
だからまるきり外部の人間にしたのかもしれないけど
出なくてもよかったんでは…という気もする。
これも毎回思うんだよな。役者としては好きなんだけど。

ほんと、何で今まで観てなかったのかと思う。
岩松了は大好きだから
大抵は手に入ると直ぐに観ちゃうのに。
ひょっとして他にもこういうのがあるんではと思い
今、ビデオの山を荒探し中。


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