2004年09月14日(火) |
「誰も知らない」を観る!! |
チネ・ラヴィータにて。 せっかく1000円で観られる日に仕事がお休みだからね。
静かで、危うくて、幸福で、せつない映画。 よかった。とても。
子供を置き去りにして母親が失踪という この映画のもとになった事件を詳しくは知らないのだけど こういう事件が報道される時よくみる ステレオタイプな状況はまるでなかった気がする。
母親は子供達をそれなりに愛していて 4人の子供のうち3人は、 家の外に出さず、近所の人間にも存在を隠しているけど 虐待や軟禁状態という感じはしない。(実際軟禁状態なんだけど) 子供達はそれをルールとして楽しんでいるみたいにも見えた。 母親が出て行ってしまい子供達だけの生活になると 留守番中の、どこか不安だけどわくわくする感じやなんか シーンのあちこちに子供のころの記憶が 呼びさまされるものがたくさんあった。 それも秩序が崩れてしまってからは不安が勝ってしまうのだけど。
それなりに幸せに思えたりしょうがなく思えたりする生活。 そしてそれなりに成り立ってしまうのだろうなあ。
子供達の、母親への非難がほとんど出て来ない。 パンフにほんとの事件について書いてあったあることを 読んだ後思い起こしてみると 後半、ある事件が起こった時 やっと母から届いた書留に入ってた兄弟の面倒をよろしくという メモを見つめるところがあるのだけど そこにあったのは母への憎しみじゃなく 責任を果たせなかった長男の自責なのかもと思える。 ちゃんと子供たちも母親を愛している。
監督は、ほんとの事件の詳細を知り、 この長男を抱き締めたいと思ったという。 抱き締める目的でこの映画を作ったのだという。 もう二十歳をすぎた大人になっているはずの実際の事件の子供たちが この映画をみてどう思うのかわからないけど この気持ちは伝わるんじゃないかと思った。
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