『Tanata Roba』,Nさん前夜式,『House of Aoyama』


 風邪が悪化して辛い。冷たい雨で寒い。

 昨日亡くなったNさんの前夜式に行くため、喪服で出勤。
母からもらった古いワンピースだが、皆に「素敵!」と誉められる。
「ありがとうございます。喪服なんです」というと、皆の顔が曇る。

 ランチは播磨坂にあるイタリアン『Tanata Roba』。
チーズが苦手と言ったら、デザートのティラミスをムースに変えてくれた。親切。

 定時は19時だが18時で早退して、南平台の『聖ヶ丘教会』にてNさんの前夜式。
私はキリスト教式の葬儀は初めて。ものすごい人。外階段まで人が溢れていた。

教会牧師の「死は終わりではない」みたいな話。
無宗教の私にはかなり違和感があるが、こういう話を聞いて、Nさんは自らの運命を静かに受け止めたのだろうと想像する。

Nさんのお父様の話、ご主人の話と続く。
Nさんへの愛と絆を強烈に感じさせる内容だった。
こういう時間があるのはキリスト教式の良さではないかと思った。

献花が始まる。列が進んで、やっと教会内の様子がわかった。
Nさんの遺影は結婚式の時のものだそうで、本当に美しい。

お母様が「ゼミの皆さんのメッセージ、読んで聞かせました。ありがとうございました」と言ってくれる。
私は泣くばかりで、今日も何も言えず。

献花を終えて、階下の部屋に行くとゼミ仲間や先輩が大勢いて、皆目が真っ赤。
Nさんが会わせてくれたんだなあ、と思う。
教会で洗礼を受けるNさんの写真なども貼ってあり、穏やかな表情だった。

 先輩たちが、まだ携帯電話がそれ程普及していない頃に、イタ電を巡って仲違いをすることになった曰く付きの店『House of Aoyama』に皆で行く。
今は和解をしているが、何年にも渡っていた蟠りを解くきっかけを作ったのも、Nさんだった。

「Nさんは本当に、めちゃくちゃいい女でしたねえ!」と私の同期のS君が言い、全員頷く。
「全く、なんでNさんなの?S君はオヤジ狩りで半殺しの目にあって、N(男)さんは交通事故で死に掛けて、Hさんは人間辞めてて、皆見事に生還してサバイバーなのに、なんでNさんは死んでしまうんだろう?!」と私。
「Nのお母さんがね『美人薄命だね、って言ってあげてください』って言うんだよ。俺、困ったよ」
とHさん。

ああ、Nさん、もっといろいろお話したかったなあ。
「どう死ぬかは、どう生きるかということだ」と見るのであれば、Nさんの死に方=生き様は大変立派で、愛に包まれていて、一つの理想だ。
私は結婚願望は全くなかったけれど、Nさんの夫婦愛、家族愛には激しく胸を打たれた。

Nさん、本当にありがとうございました。
2006年04月11日(火)

抱茎亭日乗 / エムサク

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