お仕事,『Fonda de la Madrugada(フォンダ デ ラ マドゥルガーダ)』,『SPIGA』,Y先生の手紙 |
今日は新宿『ネイキッドロフト』の三上治さんの憲法勉強会に宮崎学さんが緊急出演するとのことだが、仕事が終わらず諦める。残念。
今の仕事は、時間も作業場所も拘束されないので、午前中からやろうと思っていても、だいたい午後からになってしまう。
8000ページあるというカタログの校正は、校正作業そのものよりも、作業の進行管理とか原稿管理、汗だくの原稿配達・梱包・発送、クライアントとの連絡業務に多くの時間をとられる日もある。 しかし、無理なペースではないし、まとまった期間仕事があるのは大変ありがたい。頑張ろうっと。
そう決意しながらも、まだ終わらない仕事を切り上げて、雨の中原宿へ。 メキシコ好きの写真家北野謙さんお薦めのメキシコ料理店『Fonda de la Madrugada(フォンダ デ ラ マドゥルガーダ)』で沖縄ン・ガエル・ガルシア・ベルナル君と初のお食事。
21時の約束で、私は時間通りに着く。ガエル君は遅れると連絡あり。
待っている間に、母から電話。9月8日以来メールにも留守電メッセージにも無反応だった。 「メールが来た時くらい電話してよ。死んだかと思うじゃない」と言う。 「そうね」と母。まるで元気がない。
30分遅れでガエル君登場。沖縄タイム?でも遅刻癖は恐らく私の方が上なので気にしない。
お店の雰囲気も音楽もいい感じ。料理もお酒も美味しい。 量が多いので、大勢で来た方がいろいろ頼めていいかもしれない。
「学校とか職場とかサークルとか習い事とか飲み屋とか、行けば会える場所がない、忙しい人と会うのってすごく大変ですね」という話。 「スミマセン」とガエル君。いや、そういう意味ではなくて。
私は会いたかったから嬉しいのだが、相手がどう思っているのかわからない。 聞きたいけど聞かれたくないかもしれない、と思うと黙ってしまう。不自然な感じ。
「そろそろ時間かな?」 「帰りたいですか?あと一杯だけ行きません?」
カジュアルな店でさくっと、と思ったが見当たらず、バー『SPIGA』。 ラム好きのガエル君と一緒にモンテクリスト・ラム。美味しーい。
他にお客さんがいなくて、二人の会話が響き、更に高まる緊張感。 「面倒くさがりなんですか?」と聞くのが精一杯。 「そんなことないですよ。桜井さんはまめですよね」 「いや、私はかなり面倒くさがり」 ってもっと立ち入った話がしたいんだけど、時間切れ。
駅へ歩きながら耐え切れず「こういう感じってどうなんですか?私はすごい楽しいんですけど」と聞いてしまう。 「え?全然大丈夫ですよ」と笑われる。
池袋駅からも今宵を反芻しながら歩いていると「すみません」と声をかけられる。 タヌキの焼き物のような男の人だった。 「どこへ行くんですか」 「家へ帰るんです」 「飲みに行きませんか」 「行きません」
そして私はミスを犯したような気がする。この焼き物タヌキ話をガエル君へのお礼メールに書いてしまったのだ。 うーむ、これはどうなんだろう。「また遊びましょう」と返信が来たから、大丈夫かな。そう強く願う。
帰ったら画家のY先生から手紙が届いていた。 ちょっと前に会社の人が競馬で500円買って1,000万円だかを当てたとかいう話を、競馬をやるY先生にした。
「お"馬"さんの話になると、mailでは面倒臭いので、手紙にします。(略) 8月18日の"日記"(塗装工、叔父さん、お母さんに関する)を読んで(略)なんだか感動したのです。ここには『何か有る』と思ったのです。実は、他の文章は面白くなくて、覗くのをやめよう、と思った矢先でした。俺にとって、mariさんはその文章に関心があるからだ、と思います。お母さんの傲慢さに対するmariさんの考え、それらをきちんと描いて行く姿は、俺には何か伝わって来るものが有りました。お母さんの傲慢は、別の面ではエネルギーの現れでもあるのですよね。ここに焦点を合わせて考えてみるのは面白いことだと思いました。見当外れなことを言ってるかも知れません、が。」
とあって、競馬と絵の話が続く長い手紙。嬉しかった。 便箋何枚もの手紙をもらうのなんて何年ぶりだろう。すごく懐かしい感じがする。 「他の文章は面白くない」と言われることも有難い。感想を頂くのは非常に励みになる。
「この夏は、よく絵を描きました。このくそ暑いのに良くやるよなあと我ながら思い乍ら。頼まれた訳でもなく、ファンさえいないのですからね。」
Y先生と私、やってることは同じではないか? 私も誰が「面白くない」と言おうと、私が書きたいことだけを書く。書き続ける。 私はY先生のファンですよ!
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2005年09月20日(火)
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