イタロ日記

2008年08月07日(木) Let it be

あちこちで言われてるが、タモリの赤塚不二夫への弔辞、すごかった。
映像で見た限りでは、本当に白紙を見てしゃべってたみたいだよね?

わざわざ最後に白紙を読みながら送りだすなんて、一世一代のギャグというか、ここまで小洒落たことできる人も他にいないと思う。
(一応「弔辞」って紙を見ながらやらないといけないものらしいが)

「私もあなたの数多くの作品のひとつです」っていう言葉も、けして謙遜してるだけの表現じゃない気がするのね。
「私も、あなたの素晴らしい作品の一つに数えうるものだと思いますよ」位の自負もある言葉だと思う。

例え恩人や師匠に対してでも、世話になった者がただ一方的にもちあげたり、盲目的に作品や芸にほれ込んでるだけの関係って、一段低い気がしちゃうのよ。
赤塚さんがタモリの世話をするという関係だっただろうが、才能的には同等クラスだって、お互いにわかってただろうと思う。

赤塚不二夫の作品って、たぶんマンガでちゃんと読んだことって無いと思うんだけど、アニメで見た限りではなんか「好き」とは言いにくい部分もあったような。

シュール過ぎというか、「これでいいのだ」って言ってる割りには毒気がありすぎな感じというか。。。

話はほとんど覚えてないんで(笑)絵柄の毒気なんだと思う。
デザイン的にすごいのよ。
プロダクトデザインぽいというか、あの有名な醤油さしデザインした人誰だっけ?ニャロメとかレレレのおじさんとか、ああいうのに並べても違和感ないんと違うか???

どっか無機質さもあるというか、マンガなのに質感がセルロイド。
単純に子供の頃の夜店のお面にあったからかもしれないけど。
お面のデザインとしてドンピシャリ。増幅するような怖さがある。

「これでいいのだ」って言葉も「全ての物を肯定してる」感の前に「あきらめ」があるもんね。ほのぼの楽しい世界じゃない。
その割りに「Let it be(あるがままに)」よりは、言い方として強いんだよね。仏教とキリスト教の差か(笑)

まあとにかく、個人的には縁もゆかりもない人の死にあたって、素晴らしい弔辞がゆえにいろいろ感じ入るところがありました。
素敵な言葉をありがとう。


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