ひそやかに誰に読ませるでもない うらはらのゆめを 流そう 知らない相手に触れられるのが、本当はいつも苦手だった。 そのはずなのに、その相手がそばに寄った時、いつもの嫌悪感が湧かないことに疑念を覚えるべきだったのかもしれない。 肌を触れ合わせることに抵抗がなかった。 あまつさえ、それ以上のことを。 気付けばよかったのだ、最初に。 気付くのはあまりにも遅く、取り返しがつかなくなってから気付いた。