セルフライナーノーツ。

2003年11月22日(土) 愛と煩悩の3日間(1日目)


また随分とご無沙汰してしまいました、この日記。
9月末のミステリーツアー、10月の京都旅行記もあげずにいるうちに…そろそろセンセも走る季節に(汗)
11月も、選挙行ったり案の定インファナル・アフェアにハマったりペンタブを購入してもぞもぞやってみたり、まぁそれなりに色々蠢いてはいたのですが。
あっという間に来てしまいました、11月末3連休!
数ヶ月も前から楽しみにしていた、期待いっぱいの煩悩旅行です( *´∀`)



当初は友達同行の二人旅で、お気に入りのホテルに連泊、舞台と美術館をハシゴして、買い物してコートドール行って…それなりに優雅に。最終日のスミワヤONLYだけ私が別行動(笑)、の予定だったのですが。
予定が変わって急遽独り旅行に。
土曜の朝はいつもよりのんびりと目を覚まし。午後一の便で羽田へ飛び立ちます。
今夜のメインは渋谷のシアターコクーンで『ハムレット』観劇。
コクーンに行くといつも寄ってしまうのが、オタクの殿堂”渋谷だらけ”
旅の恥は掻き捨てじゃ!とばかりに、今回も寄り道を計画。(寄り道…なのか?(笑))だって、地元のだらけには死んでも近寄れないんだもん…(((((;゚Д゚)))))


飛行機の到着が遅れたため、30分遅れて渋谷に到着。
夏の踊る初日以来、4ヶ月ぶりに逢う(笑)す○はら篠さんと待ち合わせ。週の頭の〆切を1本終わらせ、更にもう1本の修羅場の中、この日はわざわざアシスタントさんもお休みにして来て下さったとか…うぅぅ、遅れてすみません!(/_;)
……などと言い募る舌の根も乾かぬうちに、まん○らけへ直行。
(いつも思うのだが、階段のあの赤いフラッシュ、子供がひきつけ起こして倒れるんじゃないのか?やっぱり、大きいお兄さんお姉さんしかいかないのかしら…(笑))
15分以内に終わりますから!(*゚∀゚)=3』と鼻息も荒く碁棚の前へ。とりあえず伊角さん&和谷が表紙の本を、片っ端から抜き出してはカゴへ投入!投入!投入…!何故か時々(笑える)永夏の表紙が混じるのはご愛嬌。
逆カプを削除、手持ちの本にダブリがないかを確認してレジへ。
チーン!締めて6680円なり!!Σ(゚д゚|||;)
あ…ありえねぇ!ONLYの前々日に!(笑)
しかし、実は4月の和谷受ONLYの前日にもここへ訪れていた私。先着のお姉さんに目の前で根こそぎスミワヤをかっさらわれたあの屈辱!リベンジは今しかない!!
……かくして。
これから優雅に観劇する筈の私、片手には何やら重く怪しい紙袋を下げてコクーンへ向かうことと相成ったのでした…(;・∀・)


舞台の前の腹ごしらえ。何せ、今回の舞台は休憩挟んで3時間!腐っても長台詞のシェイクスピアでございます…(腐ってません!)
劇場の側がいいよねと模索していたところ、何やらよさそうな店構えの豆腐専門店を発見!突入。
観劇前なので余り腹を膨らませるわけにもいかず(眠くなるから)、飲んだくれるわけにもいかない私達にとってはなかなかいいチョイスでございます。
変わりダネの豆腐・湯葉をメインに、魚介類やその他をちょろちょろ頼み、あとは店のいい雰囲気に任せてよもやま話に突入です。積もる話は…脱線に次ぐ脱線であちらこちらに(笑)
話題が転じて、あまり最近のアニメを見ていないお互いがふとハガレンの話になり、
『いや……子供キャラには興味持てないんだけど…、でも、この前出てきた額に×のあるひと……”兄さん…”とか言ってて(笑)……しかも声が置鮎……ちょっと、萌え〜!!!(笑)』
何故かその一点のみ、激しく合致しておりました(笑)



さて、残るは本日のメインイベント!
開演間近のコクーンへ滑り込み。4月のNODA・MAP『オイル』以来のほぼ半年ぶり。蜷川・藤原コンビの公演としては、身毒丸再演に次いで2度目です。
舞台奥が裏手駐車場へと続く扉になっているため、ラストシーンなどで裏を開いて外を見せるという演出がしばしば取られているシアターコクーンですが。
今回は通常舞台がある場所に客席を、客席の一部を潰して舞台を作り、客席と客席で舞台を挟む対面型の形が取られています。
言ってみれば逃げ場がない。ほぼあらゆる角度から、見られてしまう恐怖のシチュエイション。客にとっては美味しいばかり。(笑)
加えて、今回はメインを張るのが藤原竜也・鈴木杏・井上芳雄・小栗旬という若手陣!21歳の藤原ハムレットは、日本演劇至上2番目の若さを誇ります。
私達の席は、通常舞台があるサイドに。席までの道も舞台裏といったカンジで、インカムをつけたスタッフさんなどがスタンバっておりました。


ほぼ時間通りに開幕。コンクリ剥き出しの舞台、四方を高いフェンスで囲まれて、闇の中の客席をサーチライトがぐるりぐるりと回ります。真冬の牢獄、そんなイメージ。
蜷川氏の舞台は、高さを使い色を使い奥行きを使い、かなりゴウジャスな装置が用いられるイメージだったので、少しばかり驚きましたが。
見て行くうちに、亡霊の鎧から垂れ下がった赤い布には『王女メディア』のあの血を、劇中劇の為に周囲に灯される灯には『真夏の夜の夢』を、混乱のさなかのスローモーションの動きは『マクベス』の演出を、それぞれ思い出しました。言うなれば気に入ったトコ寄せ集め、だったんだろうか(笑)
フェンスの中での演技なんて、K1か何かみたいにでもならないかと不安だったのですが(笑)、フェンス自体が開閉できるため役者は舞台の内外を自由に出入りできて、なかなか面白かった。
特に私達の座っていた側は役者が通路を行ったり来たりするため、美味しいと言えば美味しいが振動もかなり激しかったです(笑)
2幕からはフェンスが取り払われ、一気にスピードと迫力が増しました。


ストーリーに関してはネタバレ…ということもないだろうな、古典中の古典だし。(笑)ラストの演出では嬉しい悲鳴が上がりそうなシーンもあったけど、まぁその辺は口を瞑っておきます(笑)
俳優陣に対しての個人的感想を言えば、

藤原氏:
予想通り、文句ナシ。あの膨大な量の難解な台詞をほぼ完璧にこなし、一見矛盾した行動をとりまくるハムレットという役柄を、自分のものとして理解しているように思えた。個人的には、”ロゼギル”達と連んでにやにやダベっているあたりが年相応に見えて可愛かったv(笑)

鈴木嬢:
TVや映画媒体で見る限り、非常に可愛くかつ実力派、と期待していたのだが、少々物足りなかった。1幕のオフィーリア、ちっともハムに恋してないと思うんだけど…(^-^; 2幕の狂いっぷりがいたいけで哀れだっただけに、1幕での素っ気なさが悔やまれる。松たかとか奥菜は、やっぱそれなりに”女”に見えたんだけどな…

井上氏:
”エリザベート”のルドルフ以来だったが、やっぱり王子様は健在であった。ハムが陰とするならレアティーズは陽。でもキミ、王子様じゃないから!家臣だから!(しかもシスコン(笑))やはり声は圧倒的に美しく、台詞がおそろしく聞き取りやすい。ストリートプレイは2度目らしいけど、次があればまた見たいなぁv
(余談だが、以前博多座近くで遭遇したナマ井上氏は背が高くおそろしく頭が小さかった……某所楽屋口で見た小島聖なみだった!Σ(゚д゚|||;))

小栗氏:
…これと言ってルックス以外に何も言うことはない。つーか、フォーティンブラスってそういう役だもんなぁ…(^-^; 脇だと思って誰も気を止めずにいたら、いきなり最後のシメだけ持ってっちゃうと言う…。誰よアンタ!みたいな。(笑)
そのルックスに限って言えば、彼は十二分に役割を果たしていたと思う。鏡のように光る鎧の上に、シルバーグレー?のロングのトレンチコート。金髪を逆立てて、額から流れる血。猛々しくも美しい王子さまでした。通路での台詞が多く、至近距離で眺められて至福〜v

こんなところかな。(長いよ!(笑))
舞台自体はどうかと言うと…ハムレット、としては今まで見た中で一番好きかも。
でも、作品としてはいつも腑に落ちないものが残るんだよなぁ。
ハムレットって正直、ぜんぜん共感できない主人公だから…(笑)
父が死に、母が叔父と再婚したので、登場早々鬱に入ってるハムレット。民衆からは慕われていた優れた後継者だったようだが、そのあたり全く書かれていないので、イマイチ感情移入してやれない。(とても国を統治できる能力があるとは思えない、むしろただのヒッキー……(-_-;))
オフィーリアにはラブラブだったらしいが、その辺もやっぱり書かれていないので、二人の顔合わせはいきなり”尼寺へ行け!”なんつー、フェミ団体から追撃されそうなシーンから始まる。
父を殺され傷心のところへ、元カレのハムからさんざん嫌みを言われ、彼女は気が狂って自殺。そしたら今度は遺体に縋って号泣のハム。…おい。
誰のせいじゃ!(怒)
その他艱難辛苦が次々に彼へ降りかかる訳ですが。まぁ、それも仕方ないよと思う部分も多々あって。
……今回の観劇中、私の脳裏にぐるぐると渦巻いていた言葉は。
シェイクスピアと野島伸○の書く話は似て蝶!(笑)
そりゃあ私も不幸モノ好きな方だけどさ…あんまり同じネタ重ねると、むしろ笑いに転じちゃうゾ、と。
どうかしら。(笑)


さほど長くも感じなかった舞台をみっちり堪能して時計を見ると、なんと22時40分!上演時間は3時間40分にも渡ったことに……スゴ!Σ(゚д゚;)
渋谷から今晩のお宿、相方ぽちさんのお宅へ伺うため、観劇後の一杯を泣く泣く諦めて駅へと向かいます。
重い荷物によろける私を、ホームまで送ってくれたすずさん、ありがとう!・゚・(ノД`)・゚・
リベンジは、出来れば5月にゆっくりと!


そうして日付が変わる頃、何とかぽちさん宅へと辿り着いた私なのでした。



(2・3日目へ続く)


後日談:
私が観劇したこのソワレ、なんと招待席に野○萬斎、成宮寛○、二宮○也が並んで観劇していたことが判明!くーっっ!!オイシすぎる…っ!!(>ω<)
何で気づけなかったんだ私……ぶ、舞台なみにオイシイ客席だったのに…!!(号泣)_| ̄|○












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