セルフライナーノーツ。

2001年05月22日(火) XYZ。


追悼。 ※『Angel Heart』ネタバレ注意※


新宿。マイシティ。伝言板。パイソン。もっこり(笑)。100tハンマー。XYZ。
アニメから入ったひとも漫画派だったひともいると思うが、ある年齢以上なら知らないひとはないだろう、『シ○ィハンター』。
かくいう私も(コミックスこそ持っていないが)アニメは欠かさず見ていたクチで、今でも実家に戻れば保存版ビデオの山がどこかにあるハズ(笑)。
無国籍ハードボイルド、グラマラスなお色気、炸裂するギャグ、人情、生死、傷、埋められない空洞、主人公二人のどこまでももどかしくプラトニックな愛情。
少年(青年?)漫画には珍しく、男勝りなヒロインのダイナミックさも女性に受けたのだろう、あまりアニメを見ない私の周囲でも人気が高い作品だった。


長きに渡った連載は結局、主人公僚と香の関係にもコレという決定打を打たぬまま数年前に終わりを迎えた。
半ばがっかり、半ば予想通りの展開に苦笑しつつ、”それでもこうして変わらない日常を繰り返しながら、亀の歩みで親展していくんだろうなー”なんて胸の奥が暖かくなるような気持ちにもなりながら、立ち読みジャ○プ(笑)をそっと棚に戻した私だったのだが。
先週創刊の某誌にて、北条氏の新連載が始まった。ヒロインこそ違えど、其処には僚がいる。CHの後日談とも言えるエピソードから、新しい世界が始まっている。
でも、其処に香の姿はない。もういない彼女のことを、彼は”ウチのカミサン”と呼ぶ。そして、彼女の心臓だけが今、新しいヒロインの体内で息づいている。


普段あまり波乗りをしない私だが、実は今一番足繁く通っているのがコ○ンサイトと、このCHサイトだったりする(笑)。
CHには長編小説の素晴らしく巧いサイトが多い。ハードボイルドに事件を追いつつ、奥底に描かれるのは大人の男女のどろりとした愛憎と乾いた寂しさと、膿んだ傷の口に出せない痛み。
(自分の書くものも含めて)いわゆるパラレル設定の”事件モノ”とは違う、どの作品ももう十二分にオリジナルとして完成されている。
それはやはり、人物像の書き込みの深さによる違いが決定打となっているような気がする。
そうしたファンサイトでもたまに、”最期ネタ”を読んだことはあった。が、どちらかといえば死ぬのは僚であることが多かったように思う。そして私も、その逆はあまり考えたくないと思っていた。
それは何も彼の生業が”殺し屋”であるから。。。という理由からではなく、仮に香が死んだ場合、僚の中にはもう何も無くなってしまうのではないかという危惧からだ。親友を自分の手の中で失い、更に最愛の女までを亡くしても、彼はおそらく死ねない男だ。どれほど身体が傷つこうが胸の内が空洞になろうが、彼は生き続けねばならない。それが彼に課せられた使命であり罰なのだ。
。。。だが、恐れていた夢は現実になってしまった。


香がもうこの世にいないことを、北条氏に対してどうこう抗議するつもりはない。
(というか、どんなヘタレであっても原作者はその作品世界(ドラマでも小説でも漫画でも)の中では”神”なのだと私は思っている。自分のお気に入りキャラが死んだりいなくなったり、予想外の展開に進んだ時に抗議したり署名を集めたりしているひとを見かけるが、アレは如何なものか?(笑)読み手の希望で登場人物の運命を変えようなんてこと、していいんだろうか。
作者が激しく道を踏み外し、内心”うわ、コイツもう終わりやん(笑)”と思っていても、それは"神"が望んだことで失敗して打ち切りになるも路線変更するのも(笑)総ては造り手側の勝手なのじゃないだろうか。。。)
彼女の死にはそれなりの意味や理由があり、きっといつか彼にもカタルシスが訪れるのだと私は信じている。
でないと、あんなに長い間じれったい恋物語を見続けてきた自分が可哀想だ(笑)
そしてもちろん、彼らふたりにも。
今はまだ、過去の記憶が薄れてて哀しみもぼんやりしているのだけど。きっと、ビデオ見返したりしたら泣けるんだろうなぁ。。。(T-T)
結婚式の写真を取りにいく途中で死んでしまった香。
そっと秘めてきたぶんだけの幸せが、最期に彼女を包んでいたのだと信じたい。


新作ネタバレな上に、興味の無いひとには甚だ申し訳ない長文日記(汗)。
だけどCHは数少ない私の”特別”だったから。。。
(先週まではひょっとしたら、思わせぶりなネタ振りエピソードじゃないかと、一縷の期待を抱いてもいたんだけど。。。(^-^;)
もう動かしようのない事実に黙祷、感謝。そして、未来に期待を。
XYZ。
でもまだ、終わりじゃない。

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