セルフライナーノーツ。

2001年04月28日(土) 『銃爪』。


山本太郎氏出演(主演)の『銃爪』を見る。
けっこうVシネ系はよく見ている私だが(だってー、好きな俳優さんとかそっち系のひとばっかなんだもん。。。(涙))、これは初見。
そして驚愕!
太郎ちゃんのキスシーンが!
(そ、それがあの。。。大杉漣氏と!(驚))
何だよ。。。甘くみてたよ(笑)これ、めちゃめちゃイイ。。。回る!(;>ω<)/
(なのにどうしてこんな時に限ってビデオの調子が2台とも。。。汗)


☆以下ややネタバレにつきご注意。☆
まず、何と言っても太郎ちゃんが愛らしい!(>ω<)
これは5年近く前の作品ということもあるが、何より役柄のせいだと思われる。
彼の演じるハルキはそこそこ腕の立つヒットマンだが、いささか精神的にはイッちゃってる。他人を殺すときもその顔には残忍さというよりむしろ無邪気な子供の悦びが満ちあふれている。
何かが欠乏している故の傲慢な甘えが、仕草や会話のそこここに見え隠れする。
欲しいものは欲しい、嫌いなものは嫌い。
彼の瞳にはただ一つの望みしか映らない。その終焉に向かって真っ直ぐに歩いていく。
ラストシーンは想像に難くないけれど、少しも陳腐ではない。
(ただ。。。伏線に使われてるあの童謡はちょっと。。。どうよ?(-_-;)←死)


そして、ヤヲイ女の心を擽るほのかなカホリがそこここに!
(つか、ストーリィ自体はもうJUNEとかから引っ張ってきたようなもんだ(笑))
太郎氏演じるハルキは、自分の属する組織のボス(大杉漣)の愛人だった。が、伝説のヒットマン十文字(RIKIYA)に最期に銃を抜かせることを夢見て、最果ての地で彼を追い続ける。そして、そんなハルキに命すら捧げようとするボス大杉。(どひゃー!!(;¬_¬))
流石にベッドシーンまではないが(笑)、ハルキの言動は随所にセクシュアルなものを匂わせる。
男と身を重ねていたことを伺わせる演出もあるし、”抱いて?”(!)と力也氏に囁いたりもする。一方でそのハルキから大杉氏を奪おうとする美青年もアリーので。。。そらもう、ぐちゃぐちゃである(笑)
ここに描かれている愛憎であったり執着であったりは、ただ男同士の間でのみ交わされるそれである。
(ヒロインはいるが、脱ぐわけでもなしラブシーンもなし、映画版七原よりはるかに意味がない(笑))
………断言しよう!
この作品のヒロインは、”山本太郎”である。(笑)


はっきり言ってこの手の設定は私かなり苦手なので、これがいわゆる繊細系美青年とかが演じていたらもう速攻画面を消してたと思うのだが。(てゆか最初から見ないか。。。(笑))
さすがは太郎ちゃん!
半ば狂気の淵にある青年を、ひどく自然に見せてくれた。
こうした役柄はとかくナルシズムが全面に押し出されがちなのだが、彼の演技にはそれがない。限りなく己には無関心。求めるのは他人だけ。
予想を裏切るほどひどく子供じみた、抑圧された笑顔や行為の中に、より強く行き場のない激情と静かな狂気が感じられるのだ。
北の凍てつく夜気の中、涙を流しつつ銃を構えるその表情が切ない。


………笑顔と日溜まりと、血の匂いが等しく似合う男。


そして、だがそれ以上に革パンツが似合うかもしれない………“山本太郎”は、ただただ偉大な男である(笑)。
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