当たり前のようにきみがいたあの街に 何時の間にかきみはいなかった。 久しぶりにきみがいるあの街は 当たり前のようにきみを受け入れる。 温かみがあるボタン雪が降り続け 徹底的に雪は深い。 きみが此処にいる現実。 僕は嬉しいのか、悲しいのか理解らなくなる。 きっと、何も考えずに会いに行ったりしちゃいけなかったんだ。
ほんの少し触れた左手。 僕は何をしたら良かった? 何て言ったら良かったのかな? ねぇ、とても純粋に『きみに会いに来たよ』 って言えていたなら、きみは笑ってくれた? 何か言ってくれたかな?
くだらないよ。くだらない。 全てはもう過ぎてしまって、僕は今も此処にいる。 僕に残っているモノは徹底的に雪が深いあの街の、白い残像だけ。
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