ありふれた日常

2003年07月18日(金) 世界の終わりから世界の始まりへの電話

メイル音と電話音が交代交代に鳴り響いていた。
中にはうんざりする程、ろくでもない内容の電話もあり、
電話嫌いのあたしをさらに疲れさせる。

そん中、遠くに住んでいる少年(あるいは青年)との電話は
とても不思議な心地のするものであった。
彼とは、いわゆるネットでの繋がりなので初めて音のある会話をした。
耳に流れる音は自分が想像していたモノとは
当たり前ながらいくらかは違う。
自分の方を言えば、普段から低いこの声の中ではなるたけ高く、
気持ちが悪い位甘ったるい声になっていたに違いない。

あたしは電話の沈黙が本当に苦手故(それは本当に短いモノであっても)
電話が苦手だ。
今日もその沈黙を起こさないために、次々と言葉を投げる。
決して捲し立ててはいないつもりだが、彼から『話してみたい』と
言ってもらったはずなのに、気が付けば会話は全て
こちら側から投げていたように思う。
彼に不快はなかっただろうか。
そして、この終わってしまってから『不安』になると言う部分も
電話を遠ざけてしまいたくなる要素である。

彼は歌を唄ってくれた。
電話で誰かの唄を聴いたのは初めてだった。
時々声が震えていた。
素敵な歌声だった。

彼はおまじないをくれた。
それは優しくて強いおまじないだった。
何故だかとても泣きたくなった。

純粋すぎる故のあらゆる感受性、弱さや強さや優しさや傷み。
彼の太陽が永遠に輝きつつある事を願って。
いつか彼と向かい合って話をしてみたい。


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