| 2001年06月26日(火) |
レーゾン・デートゥル |
「ねぇ 自分の存在理由を考えた事がある?」 と彼女は突然僕に聞いた。 「特にない」うん、特に考えた事はない。 「あたしは最近とても良く考えるの。 でもね、あたしに明確な存在理由があるとは到底思えないわ」 真っ直ぐな髪に指を絡めながら、何処を見るでもなく彼女は言った。 「明確な存在理由について考えて生きている人間なんていないさ。 少なくとも僕にはきみが必要だし、そんなに深く考えなくとも 必要としてくれる人間がいれば、それだけで十分じゃないかな?」 今度は僕をしっかり見据えて彼女が言った。 「それはあなたの問題でしょ。あたしとは切り離された場所に在るのよ。 あたしはあたしの中であたしの存在理由をきっと探さなくてはならないの。 あたしが此処にいる理由を見つけなくてはならないし、それには 少なからず何かを犠牲にしなくてはいけないかも知れない。 それでも、あたしは明確に知らなくてはならないの。 ねぇ あたしは間違っているかしら?」 「理解らない」やれやれ、本当に僕には理解らない。
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ルパンのタイピングソフトは面白くない。
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