「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」 **村上春樹「ノルウェイの森」**
死は何処にでも存在している。 毎日歩く道にも。 電話の向こうにも。 桜咲き乱れる公園にも。 そして、あたしの中にも。
死は間違いなく生の一部で、普段はあまり出てこなくとも 突然「ふっ」と現れて、その存在を明確にする。
身近な人や、少し離れた人、大切な人、憧れの人。 たくさんの死がいろんな形で、眼前を通り過ぎる。 何日間、あるいは何ヶ月間、気がつけば溢れ、 止め処なく流れ続ける泪。 まるで、自分の一部が欠けてしまったような思い。
しかし、時が過ぎれば、いろんなモノは薄れ、褪せて行く。 自分が普通(と言うのは何が基準かは疑問だが)に 生きて行く上で、支障は無い程に。 そんな自分に少し唖然としながらも、あんな状態が続けば 歩いて行けないであろうとも思う。
形無くなると言う事は、少しずつ過去に溶け 何処か奥の方に、美しく保存される。 きっと、そうゆう事なのだろう。 そして何時かあたしにもやって来る。
全ての死はそれぞれを据えると同時に あたしをも絶対的力で据えているのだ。
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