ありふれた日常

2001年04月08日(日) 押し寄せる記憶に不可欠な声

電話の向こうで、とても懐かしい声があたしの名前を呼ぶ。
そして、その声に呼び起こされた記憶が堰を切ったように
押し寄せる。

とても暑かった夏の終わり。
淀んだ川の臭い。
瓦葺きの屋根。
彼と二人で歩いたコンビニまでの道のり。
小さな居酒屋で飲んだビール。
そして、あなたの声。

もう何年もあの場所へ足を運んでいないにも関わらず
「覚えているに決まってるじゃない」と、
あの時と幾分変わらぬ、少し嗄れた、温かな声をあなたはくれた。

あたしにとって、あまりに大切な記憶。大切な場所。
ここには、もちろんあなたが在るのです。
あなたがあたしの事をいつまでも覚えていてくれるように、
あたしもあなたの母親のような温かさを、絶対に忘れません。

今年中に、元気な顔を見に行けたら、思いっきり抱きしめてくれますか?


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