無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年02月07日(月) 金ならないっ!/『ルパン三世officialマガジン』VOL.3

 昨年の被害総額がン百億とか言われております「振り込め詐欺」、いっぺんウチにも来たら面白いなあとか不謹慎なことを思ってたのだけれど、いや、冗談でもそういうこと思うもんじゃないですね。
 ……と言っても、私が被害にあったってことじゃなくて、ウチの職場の同僚の話。こないだは親父んちの近所(ハカセんちの近所でもある)の公園で空港勤務の女性が殺害されたりしたし、身近に事件が起こることもあるのである。
 事件の内容はこれまで報道されてきた手口と全く同じである。ちょっとだけ違うのは、同僚の自宅に電話をかけてきた相手が、通常の「警察官」ではなくて、ウチの「支社長」を名乗ったってことだ。
 「ご主人が女性社員にセクハラをして、被害を受けた社員は『訴える』と言って困っている。何とか表沙汰にしないようにしたいから、金を振り込んでくれないか」。
 当然、その「セクハラした夫」は「泣きじゃくっていて電話口には出られない」というのである。あまりにも「典型的」なので、電話を受けた奥さんは騙されずにうまく撃退したそうなのだが、「交通事故」のほかにもこういう「セクハラ」ネタも「振り込め詐欺」の一パターンとして流行っているようである。
 社員一同の前で苦笑いしながら事件の報告をしてたのが、当の名前を騙られた支社長なんだが、笑い話ですましちゃっていいものかね。言っちゃ悪いが、こういう「何とか事件を表沙汰にしないように」と動きそうな、ちょっと気弱な感じの風貌してんだよ、ウチの支社長(^_^;)。つか、別のことでいろいろカクシゴトしてないかねえ。
 その点でささやかなリアリティはあるんで、こういう事件が連続したら、うっかり引っかかっちゃう社員のお宅もあったかもしれない。もう同じ犯人はターゲットとしてウチを狙ってくることはなかろうが、「騙せそうな人間が集まってる職場だ」と犯人にナメられたことに関しては、自省も必要ではないかと思うのである。
 でも、前にも日記に書いたと思うが、ウチの場合、この詐欺に引っかかる心配だけはない。なんたって「振りこむだけの金がない」(^_^;)。仮にしげが電話を受けたとしても、次のような会話がやり取りされるだけだ。
 犯人「お宅のご主人が、セクハラしたんで、示談金100万円を振りこんで下さい」
 しげ「そんな大金、うちにはないです」
 犯人「ご主人が困ったことになってもいいんですか?」
 しげ「はい、構いません」
 犯人「それでも奥さんですか?」
 しげ「セクハラするようなやつは旦那でも何でもないです。さっさと警察にぶちこんで下さい」
 犯人「……せめて10万円くらい払えませんか?」
 しげ「そんな大金、うちにはないです」
 犯人「5万では?」
 しげ「あなたが100万、ウチの口座に振りこんでくれるんなら、私が亭主を訴えてあげてもいいです」
 しげは金にはとてつもなくイギタナクて、逆に金をせびられる可能性もあるので、詐欺を考えてる人は気をつけましょう。もっともしげはコミュニケーション不全なので、知り合い以外の電話にはそもそも一切出ないんですが。


 残業で帰宅は7時半。『ブラック・ジャック』は見損ねたけど、『名探偵コナン』に間に合った(貶してるわりにちょこちょこ見てるのな)。チャンネルはそのまま、漫然と『世界まる見え!テレビ特捜部』『キスだけじゃイヤッ!』と続けて見る。いちいち日記に書いてないけど、実は毎週月曜日はこの流れで『サルヂエ』あたりまで見てるのである。
 しげから「なんでそんなに熱心に見てるの?」とバカにされてしまっているのが『キスイヤ』なのだが、別に熱中してるわけではないが、気がついたら毎週見てるんである。なんだかねえ、出てくるカップル、みんなバカばっかなんだが、「彼が浮気しててえ」なんて女性が涙ぐんでるのを見ると、つい画面に向かって「そんなヤツとなんか別れちまえ!」とか突っ込んでしまうのである。ああ、オヤジだ(+_+)。
 今日出ていた男がまた、女を三股、ほかにキープも十人いるというプレイボーイで、同棲してる女性にそのことをなじられても「オレ、人を好きになるってことが分かんないから」とか「オレの好きとお前の好きは多分違うんだよ」とか開き直って言ってやがるんである。そりゃ「ぼくたちラブラブで〜す」なんてベタベタしてるバカップル見てると確かに「こいつらの好きって犬と変わらんな」なんて思っちゃうし、人間心理を突き詰めて考えて行けば「好きとは何か?」に対する答えなんて簡単に出せないことは納得できるんだが、それを三股の言い訳にすることとは次元が違う。個々人の恋愛観は違っていて当然だから、そこで相手との間の「すり合わせ」が必要になってくるわけだが、それを根本的に否定しているわけで、そんなカップルがうまく行くわきゃない。
 ところがいったんはその男と「分れる」と言っていた女性、自分が妊娠していることを知ってヨリを戻しちゃうんである。「彼もほかの女と別れたから」とか言ってまた頬染めたりしてるんだが“そんなの男のウソに決まってるではないか”。
 まあ、番組の性質上、ヤラセもかなりあるんじゃないかとは思うけれども、それにしてもどうしてこう浮気して悪びれない男がこうも多いのか、そこんとこがよくわかんないのである。いや、そりゃ私だって女房が鬱陶しくなったときに偶然きれーでやさしーねーちゃんに会ったりしたら、ついグラッと心が揺れ動いたりする心理は分かんないわけでもない。でもねえ、だからと言ってそういう女性とどうこうなりたいとまでは思わないのよ。たとえ向こうから迫られたとしてもそんな気には全然なれない。いやさ、道徳がどうのこうの言う以前によ、浮気がバレたあとの修羅場とか後始末とか慰謝料とか、リスクを考えたら浮気してトクすることなんて何もないってこと、バカにも分かるリクツだから。何だかんだヘリクツこねたってよ、結局浮気する男ってただの妄想野郎で女性や世の中ナメてるだけなんじゃないのか? そう言えば、「浮気は文化だ」とか嘯いてた某タレントさんも離婚の原因になった愛人から振られちゃいましたね。まあ、自己正当化することしか考えてない男の末路なんてそんなもんでしょうよ。


 『モンキー・パンチpresents ルパン三世officialマガジン』VOL.3。
 またまたマンガ家を交代させて続けているコミック版『ルパン三世』だけれど、今度の深山雪男版の単行本タイトルは『ルパン三世M』になっていた。これでようやく気付いたんだけれど、先代の山上正月版が『ルパン三世Y』だったのはつまりマンガ家さんのイニシャルだったんだね。今後も時々マンガ家を代えて存続して行くのなら、同じイニシャルのマンガ家さんになったらどうするんだろうとか考えちゃうけど、そういうのは余計なお世話かな。
 でも深山版のルパン、あまり長く続かないんじゃないかなあ。線固いし。
 付録に旧ルパン三世のアバンタイトルだけを集めたDVDが付いているけれども、これが「お宝アニメ」なんて表紙で紹介されてるのな。もうこの第1シリーズを見たこともない若い人もたくさんいるってことなんだろう。でも1971、1972年当時、この視聴率が一ケタだったという旧『ルパン三世』をリアルタイムで1話も見逃さずに食い入るように見ていた身にしてみれば、『ルパン』と言えばこの第1シリーズの前半、「大隅正秋演出ルパン」以外にはないのである。
 視聴率低迷で監督交代、打ち切りに至った旧ルパンにまつわるエピソードの数々は、ファンの間では有名なものも多いけれど、前号から始まった当時の文芸(シリーズ構成)担当の飯岡順一氏のインタビューには、これまで語られていなかったこともかなり含まれていてマニアなら必読である。監督変更後、「Aプロダクション演出グループ」の名称で高畑勲と宮崎駿が演出にあたったことはもはや周知の事実だが(これが宮崎駿の初監督作品である)、飯岡さんの話によれば、実際の演出の打ち合わせは殆ど高畑さんとの間で行われていたそうで、「宮崎さんは脚本の打ち合わせには参加したことがありません」ということである。名作とされるエピソード『にせ札つくりを狙え!』『7番目の橋が落ちるとき』『ジャジャ馬娘を助け出せ!』などは『カリオストロの城』の原型になったと言われているが、実は基本アイデアはあくまで脚本家であるさわき・とおる、宮田雪、松岡清治諸氏の手になるもので、宮崎さんは演出上のアイデアを付け加えたに過ぎなかったということになる。もちろんこのことで『カリオストロ』の名作としての評価が低くなるわけではないが、『カリオストロ』製作当時、宮崎さんがしきりに「アニメは数多くの人の手になるものだから監督だけがクローズアップされるのは不本意だ」と発言していたことの意味はこのあたリにも理由があったのではなかろうかとも思える。『カリオストロ』の基本アイデアに宮崎さん独自のものは意外に少ないのだ。
 飯岡さんが高く評価していたアイデアマンが小山峻一郎という人で、旧ルパンの立ち上げから飯岡さんの片腕となり、脚本も何本か担当していたのだが、路線変更のために全てお蔵入りになってしまった。せめて少しでもということで一本だけ担当したのがルパンの宿敵、ガリマール警部(脚本段階ではガニマール)三代目との対決を描いた『どっちが勝つか三代目!』。あのラストの「ニセモノ大集合」のナンセンスシーンは、高畑・宮崎路線のコミカルなルパンに対して「暴力と狂気、ナンセンスとセックスの毒が全くなくなった」と反発していたという小山さんのせめてものレジスタンスだったのかもしれない。「もうホンモノのルパンはいなくなってしまった」という意味で。

2004年02月07日(土) 入院日記6/けーかほーこく
2003年02月07日(金) ベスト?/『赤ちゃんをさがせ』(青井夏海)/『じつは、わたくしこういうものです』(クラフトエヴィング商會)/映画『白夫人の妖恋』
2002年02月07日(木) びっくりにびっくり/アニメ『七人のナナ』第5話/『なんだかコワレ丸』1巻(矢也晶久)ほか
2001年02月07日(水) ♪それ行け、不倫不倫不倫、どこまでも♪/『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや』ほか



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