無責任賛歌
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2002年12月05日(木) |
数年前までは忘年会なんて殆どしなかったなあ/『時代小説英雄列伝 銭形平次』(野村胡堂) |
我が永遠のアイドル、石野真子が政治家(兼、極真空手の元全日本王者(^o^))大西靖人と“不倫同棲”してたんだそうな。 今でも2時間ドラマのキャストなどで「石野真子」の名前を見つけるとついついチャンネルを合わせてしまう私であるから、さぞショックを受けているのではないかとご心配の向きもあろうが(え? 全然してない?)、まあ、そんなショックは彼女がナガブチと結婚した時点で通過儀礼として済ましている。私もいいトシのオトナなのよん(キモイわ)。 それにしてもナガブチの次が広岡瞬だったし、今度の大西さんて人もよくは知らんが、経歴見る限りロクなもんじゃあるまい。妻もいるのに熱烈アタックを繰り返したっていうから、昔、『狼なんかこわくない』や『恋のハッピーデート』に涙した口ではないのか(いや、私は泣いてませんよ。泣いてませんとも)。そんなん、ストーカーと付き合うのと変わらんぞ。石野真子、オトコを見る目がホントにないのね。 アイドルからの転落人生というのはよくある話だけれど、同期の榊原郁恵の幸せぶりを思うと(アレでも幸せなのだろう)、石野真子の落ちついた場所が結局は「愛人の座」だったっていうのはなんとも寂しい(やっぱりショック受け取るやんけ)。でも、この先まだまだ二転三転しそうなんでヤなんだよなあ。死ぬまで愛人ってわけにもいかないだろうし。誰か彼女をホントにホントの幸せにしてやってくれ(T∇T)。
「バウリンガル」が売れに売れちゃってるそうである。 「バウリンガル」が何だか知らない人のために説明しておくと、犬の首輪に装着した小型マイクで鳴き声を分析して、「楽しい」「悲しい」など6種類の感情を会話体に「翻訳」して飼い主に伝えるペット商品のことである。値段の14800円を高いと思うか安いと思うかはペットに対する思い入れによるってとこじゃないかな(^^)。 ともかくどれだけ売れてるかってのは、この不況の折だってのに、販売メーカーの「タカラ」の株価が急上昇してるっていうんだから、相当なものなのだろう。でも、そんなもん付けないと犬の気持ちがわからないってことは、もともとペットとの間に心の交流なんてなかったってことじゃないのか。 さらに胡散臭いのは開発に当たったっていう日本音響研究所長の鈴木松美博士の存在である。私、この人って結構トンデモさんじゃないかと疑ってるんだけどね。 この人をテレビで最初に見たのって、もう、二、三十年前になるんじゃないかな。何の番組かは忘れたが、写真からその人の声を再現する、という企画で、坂本龍馬に『王将』を歌わせてた。寄りに寄ってなぜ「王将」? しかもこれが聞くからにいかにもキカイで作った声って感じでねえ。っつーか、単に誰かの声の回転音を遅くしただけじゃないのかって言いたくなったよ。その時、黒柳徹子の声も合成して、「こんなに本物と同じ声が作れます」って主張してたけど、そんなん本物が実際にいるんだから似せられるのは当たり前(^_^;)。だいたい、外見というか、ノドの形だけで声が作れること自体、信憑性に欠けると思うんだけどね。だって、太って肉がついたらそんなん解らなくなるやん。 この鈴木博士、こないだもウサマ・ビンラーディンの公開ビデオを分析して「本物」と鑑定結果を出したけれど、しばらくしてどこぞの調査機関が再鑑定して「本物とは断定できない」とあっさり否定してしまった。ウケ狙ってるだけの人って気がして仕方ないんだけど、未だにトンデモさんとして追求する人がいないのは、音響とか声紋に関する研究者がもともとあの人の他には日本にはいないってことなのかもな。鶏口牛後だね、まさしく。
例の『千と千尋の神隠し』まっかっか事件で、DVD購入者三人(みんな弁護士だそうな)が、販売元のウォルト・ディズニー・ジャパンに対して、正しい色調のDVDとの交換と、一人につき1万円の慰謝料を求める訴訟を京都地裁に起こした。 なんでジブリや宮崎駿を訴訟対象にしなかったかってあたり、自らを悪人にしたくない心理が働いてる気がするねえ。原告たちは「ブエナとジブリの関係について、私たち購入者は分かりませんので、販売元を相手取りました。ただ、裁判の過程で今後、ブエナが『ジブリの言う通りのものを販売した』と主張してくるかもしれませんが。制作者としてどのようにお考えなのか、宮崎駿監督にも(法廷で)話を聞いてみたいと思います」と言ってるけど、ディズニーとジブリの関係が分らないならそれくらい予め調べろよ。弁護士だろ? それともまさか、「宮崎駿に会いたい」ってのが本音じゃないだろうな。まず絶対出て来ないと思うけどね。 私も何度か本編と予告編を比較して見直してみたが、色弱の私には「赤いと言われりゃそう見えなくもない」というレベルでしかないのよ。第一、テレビにはたいてい色調補正のボタンがあるのだから、それで調整すればいいだけじゃん。「訴える」なんてレベルの問題じゃないよ、これは。
職場で上司と転勤についての相談。 ホントはこういう大事な話は人のいない密室で行われるのが普通なのだが、ウチの上司は脳天気なので廊下で堂々と立ち話をしかけてくる。いいのかそんなんで。私は隠しごとは嫌いなんで、同僚にも「来年ここにいないかもー」と平然と喋ってるけど。おいおい、それってマズイんじゃねーの? と思われそうだけど、そうでもないのよ。つまりねー、たかが私一人の動向で職場に動揺が走るとかねー、そういう事態には絶対ならないってことなんでねー。 ちょっと悲しいかも(/_;)。
迎えの車の中でしげが突然、「今日、アンタは『豊竹』でオレに奢るよ」と言い出す。 何だそのインチキ宗教の予言者みたいなモノ言いは、と思ったが、話を聞くと、今度の劇団の忘年会の場所に「豊竹」を選んだので、そこへ下見に行くのだと言う。だったら「奢って?」と言えよ。しげにとっては私に「お願い」するのも自分が負けた気分になって嫌いらしい。それにしても、最近は「時間がないから」と言って、店に寄ることも少なくなって来たのに今日はどうしたのかと思って、「仕事はないの?」と聞いたら、「今日はないから寄れるんじゃん!」と怒鳴られる。 別に怒って言うことはない。口の利き方ってものをいい加減で覚えろ。 「当日はいったい何人集まるの?」と聞くと、「7人」と答える。 AIQの人たちにもお誘いをかけるつもりなので、もう少し多くなるとは思うのだが、それにしても在籍メンバーの人数を考えると、ちょっと少ないのではないか。 「10人だと飲み放題の割引が効くから、10人ってことで申し込もうと思うんよ。当日、人数が減ることはあるし」。 そりゃそうかもしれないが、普通は参加人数自体を増やそうと努力するもんじゃないのかねえ。 「藤田くんとかは声かけたん?」 「メール送ったけど返事ないし」 ウワサだけは耳に入っているので、もしかすると顔を出しづらいのかも知れないけれど、全く反応がないってのは、そのヘンのウワサが事実かもって勘繰られることになりかねないんだが。 何にせよ、反応がなきゃないでまた何か声をかけるなり電話するなり、連絡取る方法はいくらでもあるだろうと思うのだが、しげはそれ以上はまず押さない。1度声をかけたんだから、返事がないのは無視してる証拠、と考えて無視し返してるんだろうが、人間関係を作ろうって気がない点では、しげも藤田くんもどっちもどっちである。全く、ウチの劇団の連中はどうしてこう、コミュニケーション不全なやつばかりであるのか。つまらんプライドは捨てて誰かまず折れろよ。
「豊竹」が忘年会の会場に決まったのは、其ノ他くんのプッシュが大きかったらしい。 劇団で飲み会に一度行って、気に入ったから、という話だが、いつの間にそんなことをしてたんかな。全然気づかなかったぞ。 実際、炭火焼の焼き鳥は美味いし、種類も多い。一品料理も鍋料理もあって、宴会には最適である。今日も焼鳥のほかに豚の角煮などを頼む。舌鼓を打って、チラシを貰って帰る。
知り合いの本屋と積文館を回って、本を買いこみ帰宅。 ふと台所を覗くと、買い置きしておいたラーメン「goota」の数が減っている。しげに食われたのだ。どうしてこいつは人のメシを勝手に食ってくかな。
野村胡堂(縄田一男編)『時代小説英雄列伝 銭形平次』(中公文庫・620円)。 『鞍馬天狗』に続くシリーズ第2弾。厳密に言えば『銭形平次』シリーズの通しタイトルは『銭形平次捕物控』なんだから、そう表示してほしかったところだ。 映画化、テレビ化されていて、名のみは有名でも、原作は読んだことないと人の言う時代小説は結構ある。だもんだから、銭形平次についても映像のイメージだけで勝手にツッコミを入れる人もいて、その代表的なものが「あんなに毎回銭を投げてて、平次んちは財政危機に陥らないのか」ってもの。原作じゃ投げ銭の描写なんてほとんどないんだって。ありゃ逃げる下手人にとっさの判断でやってんだから、そうそう毎回下手人が逃げ出すものでもなし、たまにしかやらないのは当たり前なんである。テレビのルーティーンに対して突っ込みたいのは、原作ファンの方なんだがなあ。 こないだも鴉丸嬢が同じこと言ってたんで、「そりゃちゃうよ」とついたしなめてしまった。でも考えてみたら大川橋蔵の『銭形平次』の本放送すら記憶にない世代なんだから、何も知らなくって当たり前、無知を突っ込み返すのも野暮ではあった。 だいたいエラそうに言ってる私だって、銭形平次シリーズの全ては読んでいないのである。昔、富士見時代小説文庫で傑作選が全10巻で出ていたのと、講談社大衆文学館で、『銭形平次・青春編』を読んだだけだ。これでもあの膨大なシリーズの5分の1程度に過ぎない。この傑作選シリーズも現在は絶版、今、銭形平次シリーズ383作全てを読もうと思ったら、大きな図書館で『銭形平次捕物全集』50巻を探すしかないのだ。そんな中、わずか1巻本とは言え、映像とは違った平次の魅力を伝える一冊を編んでくれたのはありがたい。 収録作は『平次屠蘇気分』『五月人形』『赤い紐』『迷子札』『鉄砲の音』の短編5作と、『随筆銭形平次』の抄録。 随筆を読むと、野村胡堂がトリックの創案にいかに腐心したかが縷々として語られている。つまり、捕物帳を単に江戸風俗を描くものではなく、探偵小説として成立させようとしたということである。一時、「『銭形平次』は海外小説の翻案ではないか」という疑惑が浮上したことに対し、「種本はない」と言下に否定しているが、これも作家としての矜持だろう。 でも、作者の主張をそのまま鵜呑みにもできない。例えば『五月人形』などは、あちこちの店に飾られた五月人形が次々に何者かによって破壊されていく、という話で、あまりにも有名なあの小説が明らかにネタになっている。ただし、単純な翻案と言えないのも確かで、そのトリックの解決が元ネタ作品とはちょっと変えてある。ネタを探偵小説の古典に求めてはいても、換骨奪胎していればいいってことか。 でも、実のところ銭形平次の小説としての面白さは、作者には悪いがトリックなどではなく、平次とガラッ八の掛け合い漫才にある。
「親分、世間はとうとう五月の節句となりましたね」 「世間と来たね、お前のところは五月節句が素通りすることになったのか」 「あっしも男の子でしょう。鯉幟や五月人形の贅は言わないが、せめて柏餅くらいにありつけないものかと朝っから二、三軒、男の子のありそうなところを当って見ましたが」 「さもしい野郎だなア、生憎おれのところもお祝いするほどの男の子はねえが、謎を掛けられて季節のものを食わせねえほどのしみったれじゃねえ。おい、お静、表の餅屋へ行って、柏餅を総仕舞にしてな、臍が欠伸するほど八の野郎に食わせてやるが宜い」 「じょ、冗談じゃありませんよ、あっしだって、柏餅を買うお鳥目くらいはありますがな、大の男が餅屋の店先に突っ立って頑張るのも色気が無さ過ぎると思って、ツイ独り者らしい愚痴を言ったんですよ」 「食い気ばかりかと思ったら、色気もあるんだな、お前は。ま、安心しねえ、お静は気が小さいから、柏餅を一両と買って来る気遣けえはねえ」
冗談に冗談で返すこの妙味が、テレビ版では今一つ薄かったように思う。 やはり映像化作品については原作にも当たってほしいものだ。『バガボンド』で『宮本武蔵』を語られてもねえ(^_^;)。
2001年12月05日(水) おばさんのタイホ/『おさんぽ大王』2巻(須藤真澄)ほか 2000年12月05日(火) NOT THAT IT MATTERS/アニメ『鉄腕アトム・ミドロが沼の巻』
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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