無責任賛歌
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
2002年10月30日(水) |
DNAに値段ってあるのか/『源氏物語』第弐巻「帚木」(紫式部・江川達也) |
早稲田実業学校中等部で、50代の男性音楽教師が、パソコンの授業中に、知りあいのキャバクラ嬢(当然知り合い程度ではあるまい)と、えっちな内容の私用メールをやりとりしてたそうな(何を考えてまたそんな時に)。しかもアホな話なのだが、ついうっかりと誤って、生徒用のパソコン画面にこのメールを送信してしまったとか。 まーねー、イマドキはねー、おカタイ仕事のヒトたちだって遊びたいんだろうしねー、キャバ嬢やソープ嬢とメールのやりとりするのも普通なんだろうけれどねー、昼日中から職場でやるのかねー。これもスリルを味わう感覚なのぉ? しかも、その中身というのがもうどうにもトホホでねー。 教師「君のキスに遊ばされました」 キャバ嬢「50代のお客様は初めてで緊張しましたけど楽しかったです」 ……はあ、遊ばされたんですか。どんなキスだか知らないけれど、よかったですね。 この教師、日頃「女の子ばかりに歌わせて『口が開いていないなー』と口の中に指を突っ込んで」きたり、フーゾク店への出入りを生徒に目撃されて「ソープ」と仇名で呼ばれてるそうだが、50も過ぎてまだそんなに自分の情欲をおさえきれんのかなあ。ちなみにこの教師、既婚者でムスメもいるそうである。そこまで抑制が働かないのなら、ムスメも危険じゃないのか(-_-;)。 授業はもちろん大混乱になったらしいが(だろうな)、その後の生徒たちの対応が凄まじい。 翌日には早速、「あの○○の話聞いた!?」「授業でキャバ嬢とのメールがパソコン画面に!」「メアドがkiss me againだってよ!」と煽って、その中身をコピペして伝えてったとか。ご丁寧にメールの最後には「このメールを見た人は知り合いの早実生5人に送って! マジ話です」と付け加えたために、あっという間に多数の生徒に知れ渡ることになった。不幸の手紙より伝播スピード速かったろうな(^o^)。いや、まさしくそのエネルギーっつーか、パワーには感心しちゃうね。 教師の倫理感はもう今更どうこう言うつもりはない。所詮、サルまねしか能のない人種だし、日頃から抑圧されてたんでしょうねえ。どっちかっつーと、騒動に巻き込まれたキャバ嬢の方により同情しちゃうね。「私のせいでごめんなさい」とか責任を感じてたりしたら、可愛そうだよな。 もちろん、生徒も抑圧されてるから、こういう教師のスキャンダルがわかると喜んで騒いじゃうんだろうが、イマドキの若者は元気がないとか言ってるのはどこの世界の話かねって気になってくるね。他人のスキャンダルを楽しむなんて不謹慎だ、と言って眉を顰めるのは簡単だが、世の中を動かしてくのは往々にして不謹慎なエネルギーだったりするものだ。世の中キレイゴトだけじゃない、ということは中学生だってとっくに知っている。今回の件は彼らにとって実にいい社会勉強になったのではなかろうか。 男性教諭は一応、2週間の授業停止と自宅待機を命じられたそうだが、正式処分は後日になるとか。まあクビになる可能性が高いと思うけれども、世間に解き放って自暴自棄になってヘンなことされるより、どこかの施設に閉じこめて、「これがあのパソコンエロメール教師ですよ」と観察できるようにするってのはどうか(^o^)。 もう一つマヌケなのは、溝渕日出世事務部長のコメント。「教諭には教諭用パソコンを私信に使わないよう注意しているが、もっと厳しく注意したい」。 そういう問題かよ(-_-;)。
晩飯はガスト。 ここのディスプレイ、“プラスe”と言うんだそうである。タッチパネル式の液晶ディスプレイで、通信衛星を使った情報配信システムなんだけれど、一回遊ぶたびに50円だの100円だの料金を取られちゃうので、ケチなしげはあまり遊びたがらない。私はこういうのは大好きなんだが。 ほら、昔、デパートのレストランなんかに必ずおツマミ用のピーナツの入った機械(何て名前なんだあれ)置いてたじゃない、子供時分はあれ、必ず食ってた口なのよ。……今はもう全く見かけなくなっちゃったなあ。置いてるとこまだどこかにあるのかなあ。星座占いの機械はまだ見かけるよね? あれもしょっちゅうやってた。 さて、いつものようにしげは画面をろくに見ようとしないが、私は何か面白いものはないかと「バラエティ」とか書いてあるコンテンツを開いてみる。 「……おい、これ面白そうだぞ。『DNAの値段を計る』んだってさ」 タイトルは『りょー子先生の診療室』。いかにもいかがわしげなタイトルで、どうしても松坂慶子の『夜の診察室』を連想しちゃうな(そんなのはお前だけだ)。しげも『DNA』ってとこに興味を引かれたらしく、珍しく「一緒にやってもいいよ」と言う。 開いてみると、雑なポリゴンキャラで白衣のねーちゃんが現われる。なんかあまり面白そうじゃないな、と思ったが、「あら、いらっしゃい」と喋る声を聞いたら、これがなんと井上喜久子! エレクトラさーん♪(〃∇〃) ☆(普通はベルダンディーかな) いきなり「名前を入力するのが遅いわよ!」と叱られてしまう。どうやら「おね〜様に叱られながら占ってもらう」というコンセプトらしい。そのあとも問診に答えるたびに、「彼女と一緒に来てるの? つまんないの」とか医者がそんなこと言っていいのかって感じの返事が返って来る。これはあれだな、一人で来てたりしたら「彼女もいない寂しい人生送ってるのね」とか毒づかれるんだろうなあ。なるほど、一部のシュミの偏ったオタクに受けそうだ。……ってファミレスにこんなの配信するのか(^_^;)。 結局私は「ビンゾコメガネタイプ」と診断されて、DNAの値段はほぼ400万円。これが高いのか安いのか分らないが、しげがやったら165円(誤字ではない)だったので、やっぱりそれなりには高いんだろう。 でも、しげって、この手の占いで人間的な価値を評価されたことってないよなあ。やっぱり誰もが認めるカスってことなんだろうな(^o^)。
マンガ、紫式部原作・江川達也漫画『源氏物語』第弐巻「帚木」(集英社/YJC−UJ愛蔵版・980円)。 「オールマン」から「ウルトラジャンプ」に掲載誌が移ってたんだなあ。事情はよく分らんけど。 「帚木」は今なら「ほうきぎ」あるいき「はわきぎ」と読むところだろうが、「母」との掛詞に使われることも多いので、「ははきぎ」と読んでほしいところである。フリガナもちゃんとそうなってるのだが、本編中、「帚」に「はは」と振って、「木」に「きぎ」と振ってるのはどうしてだ。「帚」に「ははき」と三文字振れはずはないんだが。 表紙に藤壷が出てるけど、この巻には出番がないはずなのに、と思ってたら回想シーンでの登場であった。「帚木」って女の品定めの話だから、楽しい人には楽しいけれど、つまんない人には全然退屈な話なので、ちょっした彩り程度でも、藤壷出しとこうってことなんだろう。源氏の正妻・葵上もやっぱりちょっとだけ出演。 けれど今巻のメインのヒロインは何と言っても次巻にも引き続き出演する予定の「空蝉」である。光源氏にとっては初めての人妻との不倫なんだけれど、原作ではさほどのご面相でもない空蝉を江川さんは小柄だけれど艶めかしいオトナの女として描いている。キャラクターによってスタイルも描き分けようとしている姿勢もいい(ただ、左馬頭を馬の顔に描くセンスはちょっとなあ)。 けれど、このマンガの一番のネックは、多分誰もが指摘してると思うが翻訳のヘタさだ。いや、一生懸命現代人にも感覚的にピンと来るようにしようとしているのはわかる。けれど、如何せん、人間のコトバになっていない。 「あなたの言うそのどの身分がどうだとかってことをまだわからない初めてのことなんです。というか……私のことをそこらへんの普通の男達と一緒にならべて想像していらっしゃるあなたこそヒドい。自然と耳にしたりしてるでしょう私のこと……。私が意味もなくわきあがる情欲にはまったく従わない人間であることを。前世からの運命でしょうか、本当にこのような私の非難されても当然の心の迷いを、私自身も不気味に感じるくらいまで強烈に……あなたのことを」 ……日本語か? これ。こう言ったあとで空蝉とヤるんだけれど、こんな言語不明瞭な人間に犯されながら感じるというのは空蝉もなかなかのヘンタイ趣味ではなかろうか(ちゃうって)。 原作の言葉になまじ忠実な訳をしようとするから失敗する。誰も江川さんに与謝野晶子や谷崎潤一郎を求めてはいないんだから、敬語も気にするこたあない、意訳でいいじゃん。 「身分がどうのって……何なんですか? それ。私が、そんなことを気にする男だとでも? 聞いたことはあるでしょう? 私のことは。これでも理性はあるつもりです。興味本意であなたを抱きたいわけじゃない。運命だって……そう信じてるんです。もしかして、あなたはそんなふうには感じてないかもしれないけれど……私は自分の運命に逆らおうとは思いません……」 せめてこの程度には訳せないものかね。……江川さん女性を口説くのヘタそうだもんなあ。大塚ひかりさん、監修に付いてるんでしょ? 何とかしてあげてよ。 (訂正 偉そうな口を利いてしまいましたが、大塚ひかりさん御本人から、「監修には付いていない」旨の御指摘を頂きました。単行本で江川さんと対談されていたので勘違いしてしまったのですが、全くの事実誤認ですので、ここに訂正させていただきます。江川さん、大塚さん、お二方ほか、関係者各位には多大な御迷惑をかけてしまったことと思います。まことに申し訳ありませんでした。)
巨人の2年ぶり20回目の日本一のニュースを見ながら、親父は多分、今頃お袋を思い出しながら酒でも飲んでるんだろうな、と苦笑。 原辰徳の熱狂的なファンだったお袋は、彼が選手引退した1995年に死んだ。阪神大震災やらオウム真理教事件やら、すさみまくった世相を目の当たりにした末の原引退だったから、お袋にはそうとうショックだったろう。 もうちょっと体を大事にして、長生きしてくれてたら、こんな楽しいニュースも見られたのにな、なんてことを考えていると、お袋が今でもどこかでこのニュースを見ているかも、とかいうこともふと考えてしまうのである。もちろん死後の世界や霊魂の存在を信じているというわけではないのだが。
2001年10月30日(火) ベランダでフラメンコる女たち/『狼には気をつけて』3巻(遠藤淑子)ほか 2000年10月30日(月) 仕事がたまっているのに眠いぞコラ/ドラマ『名探偵金田一耕助・トランプ台上の首』ほか
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
|