無責任賛歌
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2002年05月29日(水) |
管理ってそういうことじゃなくてよ/DVD『絶叫屋敷へいらっしゃい!』/『ガンダムエース』7月創刊号ほか |
今日こそは職場に復帰することを決意する。 と言っても、体調が完全に回復したわけではない。咳はなんとか治まったが、鼻詰まりは相変わらずヒドイ。 しげに車で送ってもらいながらも、座ってられずにシートを倒して横になっている。私が相手をしてやらないので、しげ、退屈そうに「映画でも見てこよっかな」とかほざく(この日記を長く読んでいらっしゃる方ならおわかりでしょうが、しげはたとえ私が病気で苦しんでいても一切看病なんかしないヤツです)。 私もいちいち相手してやる元気はないので、「行けば」とつっけんどんに答える。 「あ、でもアンタが元気になるなら金曜日に一緒に行こっか」 「それでもいいよ、何見に行くの」 「『ノット・ア・ガール』。」 「なんじゃそりゃ?」 「なんか三人娘の恋愛もの」 話を聞く限り、西洋版の「花の高三トリオ」か「お姐ちゃん」シリーズみたいな感じらしい(我ながらタトエが古いよ)。 「……面白いの?」 「多分つまんない」 「じゃあ、なんで見に行くんだよ」 「『ダン』が出てるんだよ!」 ここで「モロボシダンか?」とか言ってボケたら、確実にしげに裏拳食らわされるので、素直に「あっそ」と答える。 念のため。もちろん「ダン」とは「段田男」のことである。 ……あ、殴るなよ、しげ。"/(;-_-) 「資料見たら誰とかのダディって書いてあったから、三人娘の誰かの父親だってことは分るんだけど、多分あまり出番ないと思う」 出番なんてちょっとでもありゃ、それだけで満足するくせに。 ワンシーンしか出演シーンがないというのに、ダン・エイクロイドが出ていると言うだけで「『パール・ハーバー』は傑作だ!」と言い切るダン狂信者のしげにとっちゃ、どんなにノーテンキな青春ラブラブ映画だって、超傑作になっちゃうのであろうことは予想がつく。 「あんたが見たくないなら一人で見に行くけど?」 「別に俺は見たくない映画なんてないってば。映画ならなんでも見るよ。金曜日に行くならそれでいいし」 「でも、多分、金曜日までしかやってないっちゃ」 「待てないなら今日一人で行きゃいいじゃん。レディースデイだし」 「そうしよっかなあ、どうしよっか」 この小早川秀秋なみの優柔不断さはなんなのだろうなあ。私はもう諦めがついているからいいものの、しげと関わってる人たち、イライラしてはいないのだろうか。 あ、くそ、結局相手しちゃったじゃないか。疲れてんのになあ(ーー;)。
何しろ五日ぶりである。 職場では、当然のごとく、視線の厳しい同僚も多々いらっしゃる。 それだけならばまだいいが、上司がそっと耳打ちしてくるのである。 「○○さんたち、休んでる間にアンタのこと随分悪口言ってたからね」。 いやあ、声には出さなかったけど、驚いたね、こりゃ。 いや、陰口叩かれたってことに対してじゃないの。 陰口を言わない人間なんて、この世に存在するわけはないから、そんなことで私ゃ同僚を恨んだりはしない。 それに、本当に同僚が「陰口」を言っていたのかどうかもいささか疑問だ。普通、上司に聞こえるような場所で、堂々と他の同僚の悪口なんて言ったりできるものではない。交わされた会話というのも、恐らくは、せいぜい「早く出て来てもらわないと困る」程度の愚痴じゃなかったかと思うのだ。もしそうなら、なおのこと、私が驚いたり腹を立てたりしなきゃならない理由はない。 お解りいただけるだろうが、驚いたのは同僚に対してではないのだ。 経緯を私に告げた上司に対してである。 マトモな神経持ってんなら、ただの愚痴かもしれない言葉を「陰口」と捉えたりするかね。いや、仮に本当にそれが「陰口」だったとしても、注意すべき相手は、私ではなくて、不謹慎な発言をしたその同僚たちなのではないのか? しかも管理者たる立場の人間が、いちいちそんな経緯を悪口言われた本人に告げたりするか? 一応、意図としては「仕事を休むな、しっかり健康管理しろ」って言いたいんだろうけど、言うに事欠いて「陰口叩かれないように」って注意の仕方はねーよな。しかも陰口言った人の名前まで出してるし。 もしも私がその人のところへ、「病気になったが悪いか!」なんて文句言いに行ったらどうするつもりなんだろうね、上司は。 思いあがっているのである。 管理者だと自覚してるのはいいけどさ、仕事の中身勘違いしてるんだよな。 日頃、他人の眼を気にすることしか考えずに生きてるから、「管理」が即、「コトナカレ」に結びついているのだろう。 結果として、トラブルの原因がどこにあるかということを考えて改善することより(もちろん原因は無理な組織運営している上司にあるのだ)、「組しやすい相手」に圧力をかけてくることになる(まあ、私が組しやすいというのは認めるが)。 けど、それって「下品」だよな。 管理者って立場になると、どうしてもこんな低劣な人間になってしまうものなのかなあ。そうなら私は一生ならんぞ(なれねえって)。
上司のコトバなぞ気にしても仕方がないとは思いながら、小心者の常で、やはりシクシクと胃が痛む(/_;)。 ふと、仮に同僚が怒ってるのが本当だとしてもそりゃ無理もないことだよな、立場を変えれば、私だって、「あのヤロウ、仕事をこっちに押しつけてこんなに休みやがって」と思うかもしれないし……と考えたところで、アレ? と思った。 私、今までそんな考え方をしたことないや。 実際に同僚が病気で休んだこと何度も経験してるけど、「病気だったらしゃあないじゃん、休んでも」としか思わなかったんだよな。それで仕事が忙しくなってても、私の文句の矛先は、管理能力のない上司にしか向けられなかった。病気がちな自分に対する言い訳として相憐れむようにそう言ってたわけじゃなくて、ホントに他人が休んでもそれで迷惑を受けたと考えたことがなかったのだ。 つーか、やっぱり病人に対して「健康管理しろよ」って言い放てる神経って、異常じゃないのか? 相当異常な職場にいるんじゃないのか? 私って。 ……なんだかまた鬱・鬱・鬱……。
それでも起きあがることすらできなかった昨日に比べれば遥かにマシである。 鼻詰まりもなんとか鼻薬を差してゴマ化しているが、この鼻薬というヤツ、確かに鼻をスッとさせてはくれるが、その分、頭痛もオマケに付けてくれるのである。 完全快復にはもう数日はかかりそうである。
しげは今日は早出の仕事。 私を迎えたあと、飛んで仕事場に行く。 とりあえず椅子に座れる程度にはなったので、パソコンに向かってネットの探索など。 ふと、しげのパソコンのテーブルを見ると、なにやらCDっぽいものが置いてある。これが、CD仕様にはなっていたが、『ノット・ア・ガール』のパンフレットであった。 なんだ、結局見に行きやがったのか。 ……だったら金曜は何を見に行くんだよう。
DVDで『スニーカーズ』、『絶叫屋敷へいらっしゃい!』、ダン・エイクロイド2本立てを吹替え版で見る。 映画自体はどちらとも以前に何度か見ているので、もっぱら吹替えの仕方にばかり注目。 『スニーカーズ』の方のエイクロイドは竜田直樹。 マシンガントークでないどころか、やや鼻にかかったような間延びした声は、まるでキャラクターに合っていない。これほどわかりやすいミスキャストも珍しいのではないか。 エイクロイドは本人自身を彷彿とさせる超常現象オタクの役なのだが、翻訳がまたそのへんの事情に疎い人だったらしく、「キャトルミューティレーション」を「家畜虐待」とか訳してやがる。イメージ違うよなあ。 『絶叫屋敷』の判事は内海賢二。普通に考えればこれも当然ミスキャストだ。 けれど、一見してエイクロイドと分らないくらい思いっきりメイクしてるし(頭もちんちん鼻もちんちん)、声も作ってるから、普段の声じゃないってことでギリギリセーフかなあ。キャラクターには合ってる。 けど、映画の出来自体がとことんショボイからなあ(^_^;)。 なにしろラジー賞にノミネートされまくっただけあって、笑える箇所が殆どない。ダン・エイクロイド、この唯一の監督作がコケちゃったのがイタかったよなあ。主役張れる機会がこれ以後めっきり減って来ちゃったから。間違ってもトム・ハンクスみたいに『フォレスト・ガンプ』の方向に行かなかったのは立派なんだけどね。 バイプレイヤーとしても確かに名演を見せてくれるんだけど、やっぱり「華」のある人だから、主演でイッパツ、コメディを撮り続けてほしいものです。でないと、わずかワンシーンの出演のために映画館に通わされる羽目になるし。
しげの仕事、いつもより早く終わる。 まだ11時にもなっていないので、やや遅めの夕飯を、ということで、ブックセンターホンダを回って本を買い込み、ロイヤルホストで食事。 スパゲティミートソースに「チキンなんたら」。 フェア商品なのでやたら長ったらしい名前がついてて、覚えてないが、これが実に美味いのであった。 蒸したチキンにゴマミソみたいなソースかけてるんだけど、蒸したり茹でたりしすぎると、すっかり脂身が抜けてパスパスになりかねない鶏肉を、適度なとろみを残して甘く蒸し上げている。口の中でややモチッとした歯応えがあるのがいい。しげに何切れか分けてやったが、ちょっともったいなかったかも(^^*) 。
『ガンダムエース』7月号(角川書店・650円)。 No.005と通し番号が付いてるけれども、今号から「ニュータイプドットコム増刊」が外れて新創刊。 表紙を捲った途端の寺田克也のマ・クベのグラビア、ムチャクチャ気味悪いぞ。殆どゾンビにしか見えないが、壷持った女が後ろに立ってるのが大笑い(あれは「いいもの」か?)。 安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』はいよいよ『ガルマ編』。 ……なんか、ガルマ、アニメの時よりえらくカマっぽいんですけど(^_^;)。 「笑うなよ、兵が見ている」……って、兵がホントに呆れ顔で見てるしねえ。 全体的に安彦さん、キャラクターをナヨッとさせるようになってるから、アニメのときは緊張感のあったシーンが、そうでもなくなって、むしろ「笑い」を誘うようになってしまっているシークエンスも多い。もちろんそれがいけないとも言いきれないんだけど、「オリジン」と謳ってるんだから、不快に感じる読者もいるかも。私はいろいろ突っ込めて楽しいんだけどね。 出撃拒否するアムロをブライトが殴るシーンなんかも、ブライト自身が全然頼りないから、ヒステリー男同士の言い争いにしか見えないぞ(-_-;)。 次回はいよいよイセリナが出るかな。テレビ放映時、「イセリナのキャラデザインには失敗した」とか安彦さん言ってたから(アレじゃただのバカだとか言ってたような)、思いきって展開を変えりゃしないかなあと期待してるんだけど、そしたらまたファーストガンダムオンリーってファンは激怒するかもな(^o^)。
もう五日ほど日記を更新していない。 掲示板の方にも何人もの方から心配の書きこみがあるが、それにレスも付けられない状態である。それでもなんとか起きられるようにはなったのだから、早いとこ書いてかないとな、と思っていたところ、東京のこうたろう君から電話。 容態を心配してくれたのだが、友人の声を聞いた途端に私の方も元気になってペラペラ喋り出すのだから、我ながらまるでこれまでは仮病を使ってたみたいである。 もちろん脳内でアドレナリンが出まくってるおかげでの一時的なものであろう。 気付いたら病気のことそっちのけでオタク話をしている。 こうたろう君の息子さん、『ガンダムエース』に載ってたトニーたけざきの『シャアの左遷』を読んで笑い転げているらしい。 シャアがガンダムの凄さをドズルに伝えようと懸命になるうちに、気がついたら口が滑って「目からビームを出す」とか「腕が飛ぶ」とか「胸からシューシューと臭い息を吐く」とか、デタラメ報告してしまうというギャグ作品。……いや、私も笑ったけどよ(^_^;)。 でもあれ、ちょっとえっちなギャグも入ってたんだが、息子さん小学二年生で意味わかってるんだろうか。あまり耳学問が過ぎるとあとで困るぞ(何にだ)。
電話が終わった途端、腑抜けたようになって、そのまま爆睡する。 ……明日こそ日記の更新を。
2001年05月29日(火) ヒステリー・ヒストリー/『オサムとタエ 早春残光編』(村野守美)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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