無責任賛歌
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2002年04月23日(火) |
くましげ。/DVD『紅の豚』(フランス語版)ほか |
今朝もしげは体調が悪い。 特に今日は早朝出勤なので、しげの回復を待って、というわけにはいかない。 「病院行くか?」 「うん」 「必ず行っとけよ」 「うん」 「ちんぴょろすぽーん」 「うん」 ……だめだ。完全な生返事。 つーわけで今日もタクシー出勤。 私が利用してるタクシー会社は一軒だけなので、電話を掛ければすぐ飛んで来てはくれるのだが、一応、私はそこまで歩いて行くことにしている。バス停ひとつ分程度の距離でしかないが、その程度でも運動になるか、というのと、1区間だけでもタクシー料金、節約したいというセコイ算段からである。 しかしなあ、ほんのしばらくタクシー利用しないでいたら、運転手さん、のきなみ入れ代わっちゃってるのな。 昨日も今日も、以前乗っけてくれた人とは全くの別人。しかもトシがいってるわりには道をまるで知らない。やっぱりこの不況で、リストラされたり定年退職したりした人が、とりあえず運転免許はあるから、ということでタクシー会社に就職してるケースが多いんだろうなあ。 一応、社内研修くらいはしてるんだろうけど、職場がドイナカにあるもので、キチンと道順を説明しないととんでもなく遠回りされちゃうのである。 以前はナジミの運転手さんもいたので、説明の必要がなくてラクだったんだけど、新しい人となると、「右へ行ってください」「そこはまっすぐ、山を突っ切って」とか、やたら細かく指示を出さないといけない。タクシーに乗ることの楽しみのひとつに、運転手さんとの会話があるが(メイワクなこともあるけど)、そんなもんしてるヒマもない。 ああ、つまらん。
しげのことが心配だったので、少し早めに4時ごろに帰宅。 けれど、どの部屋にもしげの姿がない。 ちゃんと病院に行ったのか、と思って、携帯に連絡を入れる。 「あ、しげ? 今どこ?」 「会館との打ち合わせだよ」 「あ、公演の? 病院には行ったの?」 「ううん、行ってない」 「なんでだよ。具合悪いんじゃなかったのかよ」 「ああ、寝たら治った」 ……ただの寝不足かあああああ! しげのことを心配したところで全ては徒労に終わる、ということはこれまでも何度も経験していたことだったのに、また騙されたか。 やっぱり、須らく、夫というものは、たとえ妻が泣こうが喚こうが縋りつこうが、「ええい離しやがれ、今月今夜のこの月、覚えたか!」と朴歯の高下駄で足蹴にして高利貸しになるくらいの気概があって然るべきなのであろう(←これくらいのギャグは解説不要だと思うんだけれど、この程度の常識でも分らないやつ、増えてるのかなあ)。
疲れてるのはどうやら自分のほうだったらしくて、横になった途端、そのままグウ、と眠ってしまう。目が覚めたのは、打ち合わせが終わったしげからの電話のコール音で。え〜と、時間は6時? 寝てたのは2時間程度か。からだの疲れが充分に取れたとは言えない。 食事を作る元気が起きないので、「めしや丼」で夕食。 なんか、ここ数日、マジでカラダの機能が落ちとるな。週末は二泊三日の東京行きだというのに持つのか、私。 新メニューで鶏鍋みたいなのがあるのでそれを注文。カレーもほしかったので頼むが、合わせるとご飯の量が多すぎる。 いつもはしげの残したのを私が食べる手順になってたが、今日は逆で、私のご飯の余りをしげが食べる。もちろん、しげはしげで既にチキン南蛮定食を平らげたあとなのだが。 「でぶが炭水化物ばかり食ってんじゃねえ」というのは唐沢なをき師匠の名言だが、ウチの玄関に筆で大書してハリガミしておこうか。いや、自戒の念も込めてね(^_^;)。
しかし明るい店の中でしげの顔を見ると、やはり顔色は相当に悪い。 何しろ、「もともと太っているしげの顔がやつれて見える」のである。 目の下にクマも黒々とあるし、本当なら食事のあと、東京行きの準備のためにいろいろ買い物をしようと思っていたのだが、顔色を見る限りちょっとムリそうな気配である。 今日は準備は諦めて、明日に伸ばすことにする。
DVD『紅の豚』、しげはまだフランス語版を見ていなかったので、一緒に見る。 やっぱり原音に近いやつっていいなあ。でも本来なら本作はイタリア語版も作られて然るべきものである。 けどその時は当然RAI配給、プロデューサーはマルコ・パゴットになるのだろうな(^o^)。つーか、ご本人は自分の名前を「ブタ」に付けられていることをご存知なのだろうか(蛇足の説明。「マルコ・パゴット」氏は、宮崎駿監督の『名探偵ホームズ』のプロデューサーを勤めたイタリア人である)。
しげ、珍しく飽きずに最後まで見ている。 つまらないと感じるとしげはすぐに席を立つので、やっぱり宮崎監督の最近の作品の中でも、これは別格的に面白いのだ。 「オレ、子供が主役のやつ、好きじゃないし」 しげが奇しくもそう述べたように、宮崎監督の他の映画の主役は、みな子供か少年少女である。大人の稚気には余裕があるが、子供の無邪気は無自覚な分だけ、見ていてイタイ。オトナが余裕を持って「遊んで」見せてこそ、子供は映画に魅力を感じると思うんだがなあ。大人がいかにも自分の「理想」とする子供を描いて見せたところで、それは所詮、「大人から見た子供像」に過ぎず、子供が自分の分身としてリアルに感情移入できるものではないのだ。 私には千尋が14才だっけ? の等身大の少女には全然見えないのだけれど。
日本語版がどうもリアリティに欠けるように思えるのは、フランス人と日本人の差でもあるのかも知れない。 なにしろ、ジャン・レノ他の(あとのキャストの資料がどこにも記載されてないぞ。どうなってるんだ)声を聞いたあとで改めて日本語版を聞くと、森山周一郎の声も加藤登紀子の声もまるで子供に聞こえるのだ。いやホント。 しげが寝たあと、今度は久しぶりに『ゴジラ×メガギラス』をDVDで見返す。感想はもうナシ(^^)。 そう言えば今度の新作は『ゴジラ×メカゴジラ』だってな。このタイトルが微妙に変わるっての、旧作の『対』、『VS』版と区別するためかもしれないけれど、発音は全部「たい」なんだから、もちっと工夫がほしいところである。 それにしてもこれで4回目のご登場か、メカゴジラ。 確かにオルガ、メガギラスと、新怪獣が軒並みコケたから、人気怪獣をってのは分るけどねえ。そりゃ「新怪獣」のせいじゃなくて「脚本」と「演出」のせいだろ? で、今度の抱き合わせ怪獣はなんだ? そろそろアンギラスか? マンダか? バランか? 意表をついてチタノザウルスとかキングシーサーか? ジェットジャガーとメカゴジラが組むって手もありか(^o^)。
2001年04月23日(月) 駆けて行った白い雲/DVD『ヤング・フランケンシュタイン 特別版』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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