無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年03月02日(土) イビツな職場だと思うぞ、実際/『ビートたけしドラマスペシャル 張込み』/『真・無責任艦長タイラー⑥ 凱旋編』(吉岡平)ほか

 土曜だけど、終日出勤。
 でも昼飯はスシ。しかも特上、3500円。
 つまり、職場で慰労会みたいなモノがあったわけやね。
 世間一般の会社とか職場がどの程度宴会をするものかよく分らないが、うちはやたらに多い。なにかにつけ理由をつけて、全体だの部署だのに分けて宴会をしまくっているのである。
 全部合わせたらこの二月で八つもあったぞ。中には慰安旅行もあるわけで、これが全部積み立てってわけじゃなくていきなりの出費。いったい何を考えてるんだ。みんなそんな金持ちなのか。
 当然、そんなの参加できるわけもなく、「用事がある」とか「病気なんで」と軒並み断ってたんだけど、今回のは職場の昼休みに開くってことだったんで逃げられなかった。
 ところがである。3500円を取る、と予め連絡があったのに、いっこうに徴収する気配がない。……もしかして忘れられてる?
 もちろん「会費はどうなったんですか?」なんて言い出すようなバカなことはしない。そのまんまバックレてウニだのイクラだのサーモンだのに食らいついてたけど、しかし本当に会費はどうなったのかなあ。
 もしかして徴収してないってのはマチガイで、給料から勝手にさっぴかれてたりしてないだろうか。気になってしょうがないけど、今更聞くに聞けないのである。


 会議が長引いて、しげを駐車場でまたもや待たせっぱなし。
 上司の時間設定に問題があるのはハッキリしてるんだが、反省する気配が毫もない。
 討議を拒否したいわけじゃないんだが、滅私奉公が当たり前ってツラしてるのがどうもな。こう考えてるのは私一人じゃなくて、たいていの同僚がそう感じてるんだが、いっこうに改まらないのは、上司の周囲にタイコモチが集まってるからである。仕事してるつもりになってるだけの連中だがな。
 しかしタイコモチだって見てはっきりわかるのにそれに乗せられてるんだからなあ。……またなんとかしてここを探しに来て文句つけるかな、上司。
 でも今度は文句つける理由がないぞ、名前も職場に明かしてないのに見つけられたら、そりゃただの偶然か陰謀以外に考えられないからな。自分の犯罪行為を立証するようなものだ。

 それはそれとして、しげ、待ち飽きてまたむくれる。
 こういうときには肉を食うに限るが、既に私には金がない(^_^;)。
 まだ給料日まですごーく間があるのに大丈夫か私。
 で、マクドナルドのドライブインで、てりたまバーガーを頼んで食う。
 この「目玉焼きが入ってればOK」ってのも「しげ感覚」である。マクドナルドはこれまで期間限定でしか目玉焼きものを出してこなかったので、どうやら固定メニューになりそうな「てりたま」は、しげにとってはめっちゃ嬉しいらしい。
 で、帰ったら今度はレトルトの目玉焼きカレーを食ってるんである。なぜそう連続して卵が食えるのかねえ。
 でもこの「目玉焼きカレー」、「焼き加減が甘い」とかで、しげの口には合わなかったらしい。たかがレトルトになに注文つけてんだか。


 9時からKBC(テレビ朝日系)『ビートたけしドラマスペシャル 松本清張没後10年記念 張込み・傑作サスペンス! 美しい人妻のもとに刑事の執念の捜査 東京-桐生-和歌山、点と線を追え!』を見る。
 ……なげーよタイトル(-_-;)。
 松本清張の推理小説第一作とされるのがこの『張込み』。
 と言ってもミステリ的興味は「女の変化に刑事が気づいて犯人との密会を悟る」くらいしかないんだが。作者自身、当初はこれをミステリとは考えてなかったらしいし。
 けど、抑制の利いた名短編だし、映像作家の意欲を誘うのだろう。
 作者自身が絶賛した1958年の松竹映画、野村芳太郎監督版は、キャストに大木実、高千穂ひづる、田村高廣、高峰秀子、宮口精二と名優を揃え、今見ても何ら遜色のない日本映画史上に残る名作として評価されている。
 これを乗り越えるのは並大抵じゃないんだけどねえ。
 10年前の1991年にもフジ系の金曜ドラマシアターでテレビドラマ化されたことがあったけど、ヒロインの大竹しのぶの名演が目立ったものの、主演の田原俊彦がどうしようもない大根だった。つーか、刑事は張り込みしてるけど本当は主役じゃないんだよ。あくまで観察してる先のヒロインが主役なんでさ。それを田原俊彦をかっこよく見せようって演出するものだから、ドラマが分裂してつまんなくなる。
 今回もなあ、多分、「ビートたけし主演」ってとこで、どうしようもなくなるんじゃないかなあ、と思ってたけど不安は的中。だから刑事にスポットあててどうすんだよ。
 何かいかにもイマドキの設定でよう、仕事人間の下岡刑事(たけし)の家は、妻(宇都宮雅代)は不倫してて娘は父親を親とも思わない「家庭崩壊」の状況でさ、しかもこの張り込みの最中、犯人に撃たれて死んでやがるの。そしたら今まで離れてた家族が涙を流すって……おい、これで「ドラマ」に仕立てたつもりか。
 そのたけしが死ぬきっかけになったのが、キャリアエリートで下岡に対抗意識を持ってる若い柚木刑事(緒形直人)の勇み足ってのもベッタベタ。中学生の書いた脚本かよ、これは。ワザと時間軸を入れ替えて過去と現在が行ったり来たりするのも設定が陳腐だからウルサイだけ。
 で、犯人と元恋人の二人がさあ、田辺誠一と鶴田真由だよ。ちょっとイマドキ狙い過ぎだって。田辺誠一は逃亡生活の疲れた様子がまるで見えないし、鶴田真由も生活に疲れた感じが全くない。
 まあキスシーンは濃厚で楽しめたけど。っつーか2時間見て、その中でそそられたのがそのシーンだけってのはなんなんだ。
 何が一番腹立つって、原作の舞台九州なのにそれが意味なく和歌山に変えられてる点なんだよな。ミステリと作品の舞台との関連性を軽く考えすぎてないか? あのさあ、「松本清張」って名前、信頼のブランドみたいなもんなんだぞ。少しはそのこと考えてドラマ作れよ。無駄な作家性発揮されたって、原作越えられるものじゃないんだよ。
 ……まあ、この『張込み』と『鬼畜』、ギリギリ『天城越え』と『疑惑』ぐらいのものだよなあ。原作以上におもしろかった映画って言えるのは(『砂の器』は却下)。ああ、ドラマしか見たことないって人は松本清張をこんなもので判断しないようにね。
 

 昨日、しげが忘れて悩みに悩んでたコトバ、急に思い出したらしい。
 「アニサキスじゃなかったよ、『クラミジア』だった」
 「……で、その『クラミジア』のなにが聞きたいの」
 「かかったことある?」
 「あるかあああああ!」
 それのどこが大事な用だ。
 脱力して寝る。


 吉岡平『真・無責任艦長タイラー⑥ 凱旋編』(エンターブレイン/ファミ通文庫・672円)。
 7巻あたりまで引き伸ばすかな、と思ったけど6巻で完結。
 分量としてはまあ、妥当なところかな。作者もあとがきで書いてた通り、富士見ファンタジア文庫版の方は筋はわかるけど描写はないに等しかったからね。
 宇宙戦争の描写自体は何となく『銀河英雄伝説』と似てるなあ、という感じではあるのだけれど(ランダムワープって設定は新機軸なのかもしれんが)、実のところオモシロイのはキャラクター同士のやりとりなんだよね。
 圧倒的多数のラアルゴン艦隊を前に、タイラーは起死回生の策として、故・キクチヨ・ミフネの作戦を採用するか否か。
 これを最初からタイラーが考えついた作戦ということで設定したって、話は進められる。で、ラストは「さすがタイラー」とみんなが誉めそやして終わればいいんだから。でもそれは作中人物たちがなあなあでお約束の展開をなぞってるだけだ。
 ミフネの策と設定することはある意味ドラマを分裂させてしまう。
 絶好の策が「他人の考えた作戦だから」という理由で取れないとなればタイラーの狭量さを露呈しちゃうことになるし、採用したらしたで、「他人の尻馬に乗って、アンタ主役じゃなかったのかい」ってことになる。
 どっちを取ってもタイラーの株は落ちる。いわゆる「女か虎か」ってヤツなんだね、これ。
 これがうまいこと収斂できなかったらせっかくの盛り上がりも一気に萎んじゃうんだけど、さて、その結末や如何?
 ……おお、なるほど、そう来たか。ウン、悪くないぞ、このオチ。既に以前読んでたオリジナル版の方は細かい中身を忘れてるから、筋は同じでも新鮮。
 うーん、こうなるとこのシリーズ、もう一度原作に忠実な形でアニメ化してほしくなるなあ。その場合、キャラデザインはどうしても今回の吉崎観音さんになるんだろうな。けど私はオリジナルの都築和彦さんも好きだったんだが。特にキム・キョンファの水着のキョーアクさと来たら……。
 次巻からは『無責任提督タイラー』か。オリジナル版の『ワングの逆襲』がベースになるのかな。今度は何巻増えるやら(^^)。


 マンガ、魔夜峰央『別冊花とゆめ増刊3/25号 増刊パタリロ!』(白泉社・590円)。
 単行本73巻までしっかり買ってるんだし、今更増刊買う必要もないんだが、グラビアとかついてるからなあ(グラビアまでは単行本化されないもんね)。
 と言っても、作者とROLLYとオナペッツの対談グラビアにそんなに惹かれてるわけじゃないが(^_^;)。
 しかし第1話『美少年殺し』の発表が昭和53年。1978年だよ。……24年前ぇぇ? 掲載誌の変更はあってもその間休みなしだからなあ。まさしく少女マンガの最長不倒距離。飽き飽きしてる人や、「え? まだ続いてたの? うっそ~!」てな人もいるかもしれないが、ここまで来るともう終わることってないような気すらしてくる。アニメの『サザエさん』状態だね。こりゃ。
 特別書き下ろしの新作、『ベビーパタリロ』、なんと衛兵隊長が再登場! おいおい、これも二十年以上過ぎて存在自体忘れられてたんじゃないのか。『パタリロ活殺拳』でドジ働いて、てっきり左遷されてると思ってたのに……って、あの事件の前の話って設定だから、いてもおかしくないのか。しかしその場限りで書きなぐってるというウワサの魔夜さんが、よく20年も前のキャラを覚えてたねえ(^^)。
 これなら警察長官にもプラズマXにも再登場してほしいものだが、難しいかなあ。

2001年03月02日(金) あっいぃ、うー、えぇおー♪/『ドラゴン株式会社』(新谷かおる)ほか



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