無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年02月17日(日) ヘンなメール/『百鬼夜行抄』9巻(今市子)/『空前絶後のオタク座談会② ナカヨシ』(岡田斗司夫・山本弘)ほか

 疲れて朝は熟睡。
 確か『忍風戦隊ハリケンジャー』は今日からだったと思うが見損ねた。
 何度かこの日記にも書いていることだが、「戦隊シリーズ」は私の世代だともうあまり思い入れないんだよねえ。しげからも「アレはいいコレはいい」と勧められちゃいるんだけど、積極的に食指は動かない。
 言っちゃなんだが、劇団の連中が殆ど戦隊シリーズのファンなのは、単に子供のころに洗礼受けたからってだけの話じゃないのか。今の眼で見ても、ドラマ。映像センスともに出色の出来である『ウルトラQ』なんかと比べると、レベルが違い過ぎる。
 やっぱり私にしてみれば特撮・SF番組の数ある中の一本って位置にしかないんで、しげが戦隊シリーズの主題歌曲集を買うの見てると、「いや、買うなとは言わんが、それより先に買っとかなきゃならんもんがもっとあるんじゃないのか、『ウルトラシリーズ全曲集』とか伊福部昭とか」と思ってしまうのだ。
 ……え? 別にどっちも買わんでいい? 失礼いたしました。
 「戦隊シリーズ」があまり特撮ファンの中でも面白いモノとして認識されてなかったってのは、ゆうきまさみが「でもあのカット割りは評価できる」と言ってたことでも証明できる。ただそれも10年以上前の評価だし、コアなファンが増えていけば、ちったぁ鑑賞に耐えるもの作んね~となってスタッフも考えたりするんじゃないかと思って、私もときどき見てみたりはするんだが、なぜか私の見る回に限って、すっげーつまんなかったりするんである。
 それでもさすがに1・2話はくらいは物語のフォーマットでもあるし、少しは気を入れてるんじゃないかと思うんで見てみようとは思ってたんだがなあ。
 なんにせよ、「食わず嫌い」は嫌いである。
 見もしないで「どうせつまんないんだろ?」と決めつけることは私が一番嫌うところなので、ともかく来週はなんとかがんばって起きて見てみよう。


 『仮面ライダー龍騎』第03話「学校の怪談」。
 ああ、何かいきなりガラス割ってますけど(^_^;)。
 ええっと、ガラスっつーか鏡の世界の中で、龍騎とナイトが戦ってる様子、優衣からは見えてるわけね?
 それは優衣だけに見えてるわけじゃなくて、通りがかりの他の人にも見えてるんじゃないの? だったらなんでみんな騒がないのよ、それとも気がついてるのは優衣だけだったってこと?
 割ったガラスの破片がどうなったか。
 なんと、鏡の世界の方と、現実の世界の床と、両方に落ちてったのだ!
 これって、分裂したのか?
 こちらの世界で壊したモノが、アチラの世界でも壊れる。これは解る。
 けれど、向こうで割れた破片が同じく向こう側に落ちるのっておかしくないか?
 しかも、鏡の中での爆発とかがこちらの世界に影響を与えた気配はないんだよなあ。
 ……待てよ、考えてみたら、こちらの世界にいる人間が鏡の世界にはいないじゃん。
 もしかしたら、私が見落としてたのかもしれないけれど、アレって「鏡の世界」なんかじゃないんじゃないのか。なら、アレは全くの別次元なのか。
 ああっ設定がよくわから~ん!


 メールチェックなどして、ここしばらく、ウィルスも送られてこないし平和だよなあ、と考えていたら、なんだかよくわからないがイタズラメールらしいモノが来ていた。
 まあ、その人が偶然この日記を見つけて(いや、可能性はありそうなんである)「自分のことだ」と思っちゃったりしたらヤヤコシイことになりそうなので、詳しい内容はここには書かないが、どうもオツムのネジがちょびっとヒン曲がっている人らしい。
 ああ、やっぱりこういう人っているんだよなあ、こういう人と日常的に付き合ってる人って大変じゃないかなあ……とか考えてたけど、当面のその人のターゲットは私なんである(^_^;)。
 さて、どう対処していいものか、と思案に暮れたが、いい解決方法も思いつかなかったので、困って知り合いなどに相談してみる。
 結論は、「知らんフリしとけばあ?」。
 それで向こうが何も言ってこなけりゃそれに越したこたぁないな。


 アニメ『サイボーグ009』第18話「張々湖飯店奮闘記」 。
 脚本が久方ぶりの大西信介さん。
 作画も安定していて、ようやく安心して見られる話になったかなあ、という感じ。
 ……やっぱり、今回のシリーズ、スタッフの層が薄いんだろうなあ、脚本を含めて、出来のいい回とショボイ回の差が激しすぎるもの。
 黒い幽霊団との新たな戦いに移る前に、サイボーグたちの生活の拠点を作っておこうってことなんだろうが、原作とは微妙に設定が違ってるな。
 つーか、009、エピソードによって、レーサーだったりギルモア博士の研究所の助手だったり、立場が違うんで、まあ、どれかに統一する必要はあったんだろうけど。
 一緒に生活していた仲間が、張々湖の料理で実は繋がっていた、という設定が秀逸。
 特に、戦後も残る地雷のせいで、村に届けるはずだった食料を一気になくしてしまったピュンマが、張々湖に鍛えられたことを思い出して小麦粉だけで料理を作るエピソードは、ほんのわずかな時間に『009』のテーマが凝縮されたかのような名創作。
 「料理」はまさしく生活の根源であり、我々の日常を築き上げる原動力となるものだ。その「日常の力」こそが、たとえ戦地であっても平和を取り戻していく唯一の力となりうるのだと、訴えているようではないか。
 で、唯一、張々湖から料理を習わなかったジェットだけがワリを食う、というオチも粋だ。
 まあ、料理は国境を超えて絆を作る、みたいな『美味しんぼ』的な話になっちゃってはいたけどね。
 ……これも、原作からは「張々湖が高名な料理評論家を迎えるために、食材を009たちに集めてもらう」ってとこしか使ってないから、脚色の妙ってとこだろうね。フランソワーズのチャイナドレス姿は原作よりも数段グラマーなプロポーションで、GOOD(^^*)。009もさりげなく(でもないか)誉めるあたり、意外とタラシだよな。そのワザも教会で覚えたのか。
 ……え? なんで009だけ名前で書かずにナンバーで呼んでるのかって?
 ジェラシってるからに決まってるだろう!

 しかし、どうもこの秀作の快進撃も今週までのようだ。
 来週放映予定だった『まぼろしの犬編』が急遽『ディノニクス編』に差し換え。しかも予告編の作画、また全然動いてない。
 ……また、落としたのかよ(-_-;)。


 マンガ、今市子『百鬼夜行抄』9巻(朝日ソノラマ・800円)。
 ……最近、買ってる本の「妖怪」率、高くなってる気がするな。
 1巻買った時にはまさかこんなに続くとは思ってなかったけど、もしかしたらホントに百話行くんじゃないか。
 となると今ちょうど折り返し点、というところかな。
 主役の飯島律、7巻で大学生になったから、18巻まで行けばどうしても社会人にならざるを得ないけど、『返礼』の回で、1年ほど妖魔にとり憑かれた時期があった、と紹介されているから、その間の「書かれざる物語」を書いて行けば、結構それくらいは持つんじゃないかな。
 しかし、9巻も重ねているというのに、語り口のウマさにますます磨きがかかってるってのには仰天する。そんじょそこらのミステリ作家よりよっぽどミスディレクションがうまい。
 それでもミステリファンのハシクレとして、「これはここでこう引っ掛けてるな」と作者のワナに気づいて真相に辿りつくことも多いのだが、今さんヘタすりゃ二重三重の引っ掛けを用意してるからねえ。
 『笑う杯』に出てくる「大奥様」と呼ばれる謎の老婆、こいつが幽霊か妖怪の類だろうってことはすぐにわかる。作中に「年とった家政婦さんがいる」とかいうセリフが出てくるから、一瞬、その人のことかとも思ってしまう。家政婦と見せかけて実は……というパターンかなと。
 ところがさりげなく「自殺した最初の奥さん」とか書いてあるものだから、あ、さてはこの人の幽霊だな、「家政婦」は引っ掛けだな……と思ったら更にそれも引っ掛けなんだもの。
 いや、ほかにも『隣人を見るなかれ』なんか叙述のトリックとしても傑作。別にミステリマンガじゃないのに、どうしてそこいらのミステリマンガより数段優れたトリック使いまくってんだよ。
 後書き読むとさあ、意外と行き当たりばったりに描いてるんだよねえ、作者。多分、作者、自分がミステリ史上に残るトリックを考案してるんだなんて、これつぽっちも気付いちゃいないぞ。……才能だなあ。
 『コナン』とかに飽き足らない人は、『百鬼夜行抄』を読むべし(ほんとかよ)。
  

 岡田斗司夫・山本弘『空前絶後のオタク座談会② ナカヨシ』(音楽専科社・1575円)。
 伏字だらけのオタク座談会もはや5冊目、よく続くよなあ、クレームも相当来ているだろうに。
 もっとも「あの伏字は私のことでしょ!」なんて怒鳴りこんで来たりした日には、その人が伏字の本人だと自ら白状しちゃうようなもんなんだが(^o^)。
 今回のゲストは伊藤秀明・かないみか・原恵一・渡辺宙明の四氏。
 『hm3』の客層考えてみると、この連載が続いているのが不思議なくらいなメンツだ。ギリギリかないさんが「声優」なわけだけれども、表紙飾る方ではないし。
 けれど、オタク界の裏話を、多少のタブーはあっても比較的突っ込んで知ることができることってそうそうあるこっちゃない。前方に立ちふさがる壁を乗り越え、更に10冊、20冊と続いてほしいものだ。

 最初のゲストの伊藤秀明氏、わかりやすく「サンダーバード研究家」と紹介されているが、その程度の肩書きで収まりきれる方ではない。「なんでもコレクター」でいいのではないか(ホントはセルワーク・イラストレーター)。
 ともかくこの人がいるおかげで世の中にLDボックスだのDVDボックスだのが氾濫したのだということがよくわかる対談。つまりは我々からおゼゼを搾り取る悪魔だな(^^)。
 何がアコギかって、例の『NHK少年ドラマシリーズ』のDVD、『タイムトラベラー』のスチールがDVD発売のあとに見つかったので、「『七瀬ふたたび』なんか一度商品化したやつだから、ここに入れればいいじゃありませんか。フォトギャラリーに入れたら絶対マニア買いまっせ!」なんてNHKにアドバイスしてるんである。
 ……そうかあ。『七瀬』、もうビデオテープで持ってるんだがなあ……。
 今回のDVDには『タイムトラベラー』のスチールが収録されてるのかあ……。せっかく買わずにいたのに、買わなきゃならなくなったじゃないか!
 伊藤さんとはそういう人である。

 かないみかさん、山寺宏一さんの奥さんであることは知ってたが、田上和枝さんの娘さんであることは忘れてたなあ。
 そういや、小川びぃさんの声優辞典に書いてたっけ。
 かないさんのイメージってやっぱりメロンパンナちゃんなのかな、一般のイメージは。
 『アイドル雀士スーチーパイ』で散々スーチーを脱がしまくった私としては、どうにもかないさんの「も~う、エッチィ!」と言うセリフが耳について離れないんだが(おいおい)。あ、あと、『究極超人あ~る』の西園寺えりかの「あははははははははは!」をやれる声優がいたという感動もあったね。
 ……代表作じゃないか。
 それと、この対談中に「田中公平が●●●●の悪口を言うと1時間でも2時間でも喋る」というのは誰のことだかすぐにわかるのだが、しげがその人の大ファンなので、その答えは言わない(^^)。

 『クレヨンしんちゃん』の監督、原恵一さん、拙稿を読んで頂いているのでしょうか、恐縮です。
 って、去年の夏コミで山本弘さんが出した『オトナ帝国の興亡』のことね。
 この対談の中でも、名前は出てないけど、私の原稿のことに触れていただいてて、すっごく嬉しかったのだが、雑誌掲載時にカットされてた部分にも、私の発言を取り上げていただいてる部分があった。
 もちろんネタにされていじられてるんだけど(^_^;)。
 でも、岡田さんや山本さんにイジってもらえるようなものが一応は書けたんだなあ、と思うと、感慨無量。
 ああ、今年も同人誌作りたいなあ。

 渡辺宙明さん、読み方は「ちゅうめい」でいいんだそうな(ホントはミチアキ)。中野昭慶を「しょうけい」と読むのと同じ(注に本名は「あきよし」って書いてあるけど「てるよし」だよな、確か)。
 この人の歌も結構カラオケで歌うこと多いけど、『忍者部隊月光』は歌い忘れてたなあ。私もさすがにこれは再放送でしか見てない。でもいかにもチュウメイ節のルーツで燃える曲なんだよなあ。
 あのイントロのデンデケデンデケが007のメインテーマだって話してくれたの初めてじゃないか。なるほど、言われてみればその通り。……「げっこ~う、げっこ~う、忍者~、ぶーた~い~」って、若い人にゃ全然わかんないネタだね、すみません。
 『ゴレンジャー』の「バンバラバンバンバン」もチュウメイさんのアドリブ作曲か。わかるなあ。秘蔵エピソードの紹介はこの対談が一番多いかな。
 ヒーローソングの秘密を知りたい人には必読!

2001年02月17日(土) ゴミ箱はティッシュの山……鼻水で/『2001年映画の旅』(小林信彦)



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