無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年01月19日(金) DESERT MOON/『パタリロ!』(魔夜峰央)71巻ほか

 今日はちょっと重大な仕事があった。
 仕事とというものは基本的に成功して当たり前、失敗したら周囲から散々叩かれるという性質のものではあるが、今日のは絶対に失敗できない類のものである。
 でも実のところ、同僚がみな頭を抱え、難しいと口々に言い、ため息をつくことの多いこの仕事、私には大して苦痛ではない。どちらかと言うと楽な方だ。
 私にとって難しい条件がつくのは、完全に成功してもいけない、ということだ。……どういうことかと言うと、同僚の「やっかみ」を回避せねばならぬ、ということなのである。
 若かりし頃は私も若かった(当たり前だ)。仕事はできればできるほどいい、と思っていた。で、真面目に仕事に取り組み、あるときある仕事で大成功を収めた。それこそ、周囲の誰もが成功を喜び、私の努力を労ってくれた。……一人だけ、それが気に食わなかった人物がいる。私の直属の上司である。そいつは報告書にデタラメを書きこみ、私の業績がさも失敗であったように改竄してしまった。
 そうせねば自分の上司としての立場が保たれない、と焦った末の行動であることは見て取れた。怒るより先に気が抜けて、そいつと特に喧嘩などはしていない。でもそれがかえって相手には自分が蔑まれたように感じたのであろう。そいつの私に対する陰での足の引っ張りはその後も続いた。
 その上司とはとうの昔に別の部署に別れている。しかしそれ以後、私は真剣に仕事に取り組んだことがない。常にある程度手を抜いている。一生懸命になったところで、仕事を妨害されるマイナスを考えると、結果的に大した差は生じないからだ。
 今日もそこそこ手を抜いた仕事。失敗というほどでもなく成功というほどでもない、まあまあの出来。こういう技術は我ながらうまくなったものだと思う。

 でもね。
 たまにはさ。
 真剣にさ。

 いや、いかんいかん。それは、甘い罠。出るくいは打たれるのだぞ。どんなに人あたりがよさそうに見えても、いざというときに変心するのが人間というものだ……って、なに私ゃ『こころ』(漱石)してるんだ(^_^;)。

 今回の仕事に関して、反省会があったが、みなさん真面目にやってるフリして、いかに手を抜いたかを語る語る。でもいつもは長引く会議が、お互いのミスをさほど追及することもなくあっという間に終了したのはなぜかな〜? みんな自分が適当な仕事しかしてない自覚が少しはあるのかな(^o^)。

 帰宅したが女房はまだ練習から帰って来ていない。郵便受けを見ると友人からの届け物の不在通知が入っている。困ったなあ、連日女房は練習に出かけているし、私も休日は予定が立たないので、受け取る時間がないのだ。
 ともかく問い合わせ先の「児童音声受付センター」とやらに電話してみる。女性、やや中年に差し掛かりか、という感じの声で(なぜ若いのを使わんのかな。いや若けりゃいいと言ってるわけではないが)、受付番号だの郵便物の種類だの、再配達日などを聞いて何番を押せと指示してくる。……不思議だなあ、聞いているうちに段々腹が立ってくる。言葉に感情があるようでいて、実際にこちらに応対しているわけではないことが分るのがイライラする原因だろう。
 「やあ、デイブ」
 「気安く呼ぶなバカヤロー!」
 「はっはっは、感情が高ぶっているね、デイブ」
 「テメエのせいじゃ、おんどりゃあ!」
 ……ボーマン船長がHALをぶち壊したくなる気持ちも分るのである。
 荷物は日曜日に受け取ることにしました。こうたろうくん、気を遣わせてごめんなさい。

 女房の携帯に連絡を入れても全く繋がらないので、仕方なく一人で食事にいく。昔馴染みの本屋で取り置きの『世界の文学』などを買って、更に博多駅の紀伊國屋を廻り、ヤマダ電器で生ビデオテープを買う。
 食事は「ザ・めし屋」でシメサバとかつカレー丼にワンタンスープ。なんかスゲエ取り合わせだが、今サバが暖冬のため品薄とか聞いて、衝動的に食べたくなったのだから仕方がない。
 どうせ夜中にならなきゃ女房も帰って来ないだろうと、スープをすすりつつ、買いこんだ本に読み耽る。

 魔夜峰央『パタリロ!』71巻。どうせしり切れトンボで終わるだろうと思っていたアスタロト編、やっぱり予測通りで終わる。『パタリロ!』が本当におかしかったのはせいぜい7、8巻までだっちゅーのに私はなぜ71巻まで買い続けているのであろうか。……なんとゆーか、南都雄二、しょーもないギャグがかえって面白いってこともあるんスよ(今のも71巻にあったギャグ。ホントに『別花』読者の何人が理解できるのだろうか)。
 高岩ヨシヒロ『松田優作物語』4巻、今気付いたが、森田芳光は松田優作と組んでしか傑作を作っていない。あとはせいぜい秀作ドマリか明らかな駄作である。こういう切り口を見せてくれただけでもこのマンガはただの実録マンガ以上の価値があるだろう。
 日渡早紀『宇宙なボクら』3巻、一作ごとに絵柄を変える日渡作品、もはや『アクマくん』や『早紀ちゃん』シリーズの片鱗はカケラもない。
 主人公の天湖を陰で苛めていた真犯人、いよいよ今巻より登場。といっても正体バレバレだったんで、あまり引かずに全巻のうちにバラシといてもよかったように思う。日渡さんは『ぼく地球』もそうだが、ストーリーテリングは必ずしもうまくない。
 ただ、少女マンガ家の多くが「語り」よりも「思い」で見せることが多く、結局二作目以降が続かないのがしばしばであるにもかかわらず、日渡さんはまだ「思い」だけでここまで続いている。以前ほどの輝きはないが、やはり注目してよい作家だと思う。……女房はあまり読んでくれないけど。
 羅川真里茂『しゃにむにGO』7巻、私がスポーツマンガ(しかもテニス!)を読んでいるなど滅多にないのだが、ひな子さんと池やん監督が好きで読んでいるのだ(^o^)。少女マンガも絵が向上したなあ、と思うのは、この人、肉のつけ方が絶妙にうまいのだ。いやね、当たり前のことなんだけどね、足ケガして杖ついてるひな子さんの肩がちゃんとくいっと上がってんのよ。日常の描写を大事にしているマンガ家さんは大好きだ。……でも逆にテニスしてるときの絵が静止画みたいでうまくないんだよなあ(^_^;)。『エースをねらえ!』が絵はどヘタクソでも迫力があったのは、テニスシーンの絵が「生きて」いたからだよな。
 長谷川町子『別冊サザエさん』1、2巻、サザエさんの短編シリーズ、四コマよりこちらの方がアニメに近いが、サザエさんが『ハートブレイクホテル』を歌うシーンなどはマンガ版でしか読めまい。

 荷物が増えたので、女房に頼まれた土産は買わず、勝手にめし食って来いと電話。女房とよしひと嬢、11時頃ようやく帰宅、カップラーメンを買ってくる。新製品だそうだが、味噌ラーメンと謳っていながら匂いは明らかにとんこつペース。部屋中にブタ臭さが充満し、思わず顔を顰める(博多人がみんなとんこつ好きだと言うのは世間の偏見で、あんな戦後の闇市から発祥したようなゲスな味を嫌う昔ながらの博多人も多い)。
 私の子供の頃は、カップラーメンはおろかインスタントラーメン自体、チキンラーメンと出前一丁しかなかった。よしひと嬢ですら「うまかっちゃん」(最近は東京でも売ってるらしいが博多独自のとんこつラーメン)世代。隔世の感があるなあ。



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