ささやかな独り言。...琴代 諒

 

 

別離 - 2002年04月26日(金)

小さくなっていく父の後ろ姿を
ずっと見つめていた
明け方で 霧が立ちこめていて
何が起きたか分からなかった
母は 父を追う訳でもなく
私に 声をかけるでもなく
いつものように
怒った顔で 家に戻っていった

母の元へ行けばよいのか
父の元へ行けばよいのか
それさえ 分からないままに
霧で冷たくなった衣服の重みと
湿った髪の毛の重みとを抱え
その場にずっと立ち続けていた

父も母も 迎えに来てはくれなかった
何が起こったのか 分からなかった
ずっと 立っていた


...




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