オミズの花道
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『 30歳ホステスの選択権 』
2005年03月15日(火)


にゃんこ可愛い。
ちゅうしに行くと、爪の出てない肉球でシパパパと頬を猫パンチ。
や、柔らか〜い。幸せだぁぁ。

今もゴムマリのように跳ねている。
憩うぞ〜憩うぞ〜。
エロオヤジみたいな水上である。


さて昨日、夜遅く電話があった。
前の店の同僚で、ラウンジに行った子だ。
彼女の繊細な神経ではクラブはキツイらしく、私が前の店を辞めると同時に、彼女も今のラウンジに移った。

年齢は30歳。
う〜ん、私に言われたくは無いだろうが微妙なお年頃だ。


何があったのか聞いてみると、予想通り今の店が合わないらしい。
と、言うより雇い主に『貴女はこの店に合わない。』と言われたらしい。

ほうほう、それはどういう理由で?と聞くと、
1)クラブ上がりの子はこの店の雰囲気に合わない。
2)クラブ上がりの子は待機中にも頑張りすぎて他の子にプレッシャーを与える。
ざっと言うとこういう事らしい。

信じられないが、こういうことをサラリと言ってしまう馬鹿が未だにこの世の中に居るのだな。その事にビックリだ。クラブに恨みでもあるのか、この婆は。


勿論彼女は反論した。
馬鹿には何を言っても無駄だと諦める私より、進歩的な奴かも。

−1)に対しての反論−
自分はどちらかと言うと派手系ではなく地味系で、
クラブでも家庭的なタイプで通っていた。
ここの雰囲気とずれるとは思っていない。

−2)に対しての反論−
待機中の電話やメールの何が悪いのか?
自分の日給は自分で出す、その考え方はおかしいのか?

ここで弁明させて戴くと、彼女自身この話が出た時に辞めるつもりで話をしていたので、別にしがみ付いている訳ではない。
ただ、自分の価値観や積み重ねてきた物を否定されたようで悔しかったのだと思う。


へえ〜待機中でも電話やメールをしなくていいのか、そんなに忙しい店なのか、結構な事だな〜と思っていたら、なんと連続ボウズ様の日が続くという。
ありゃりゃ〜そりゃあきませんがな。

しかし悠長な店だね。スポンサーが付いてるのかな。それにしても悠長すぎだろう。いかな30年続く老舗と言えど、不景気とはいえど、スポンサーもキレるハズ。
っていうかスポンサーまだ生きてるのかな。


確かに彼女の言い分は正しい。
うん、正しいんだけど・・・・ホステスならば見なければいけない真実が見えていない。

ラウンジのオーナーがクラブ上がりを嫌うのは未収金の問題なのだ。
高い店から安い店に移ると金銭感覚が鈍るホステスは多い。
故に、お客様にガンガン飲んでもらって、挙句の果てに飛ばなければいけなくなる。

そこが嫌われる・・・・というか敬遠されるのだ。
そしてそういうゼニカネの問題をストレートに言えるオーナーは、大阪といえども中々居ない。

悲しいかなこういうパターンは多く、彼女のように解雇通知を食らう事は多い。
そして彼女自身も、30歳という年齢がネックになっている事に気が付かない。
その悟りが無ければ、ラウンジであれクラブであれ、どちらの店に行っても彼女は解雇通知を食らい続けるだろう。


彼女がクラブ勤めに戻るとするなら・・・・。
30歳以上の女性がクラブに行きたければ、当然売り上げを要求される事になる。

普通売り上げと言えば30歳でなくともそれなりの数字が要求される。
ベスト20の店に行くならば若くとも小計で100万以上(概算総売りで300万以上。小計の計算方法は店による。)は必要だろう。

つまりお客様に20日の間、最低でも300万円以上飲んで貰わなくてはいけない事になる。
まあ1日に15万、と考えれば解りやすいですかね。

これはこの業界では「売り上げならば『出来て当然』なレベル」で、30歳以上なら「これ『以上』が当然」になる。
そうならないとスカウトも眼中に入れてくれないくらいの、ギリギリ最低ライン数字だ。本当にギリギリの。
(ここで触れている小計は、セット料金の高い店ならばもっと数字が上がります。)

30歳以上だけど売り上げでなくても良い!と言うふれこみがあれば、またそういう雇用条件であれば、そこはもはやクラブという名前を借りたラウンジやミニクラブに過ぎない。

原則的にオールヘルプで通用するのは23歳が限界。
高級クラブであればあるほどこの厳しい現実は常にある。
美人であれ何であれ、売り上げが出来なければクラブには解雇される。
もしくは罰金罰金でタダ同然にこき使われる事になる。
新地で沢山飲まれているお客様こそ、この現実を良く御存知の筈だ。

これは逆もまた真なりで、数字さえ叩き出せれば30歳でも良い雇用条件で、クラブに長く勤められる事になる。
ビジネスなのだから数字命と言われれば当たり前の事なのだが、これがこの仕事の残酷な一面だろう。


彼女がラウンジ勤めを希望するならば・・・・。
不本意かもしれないが、最初は縁の下の力持ち的な役割を率先してするべきだと思う。この世界で生き残って接客業を続けたいならば、そうするしか無いのだ。

何故ならばラウンジで気合を入れてる30歳のホステスは、お客様から見ればやはり『縁の下に回れないでしゃばり』的な目で見られる。
集客力があればそれでも問題は無いが、お客様にとってラウンジで『あの子はチーママにもなれない30歳ホステス』、そういう目を変える事はなかなか出来ない。
御自分も社会的に地位を築いてきたからこそ、そういう視点になるのだろう。

いくら集客力があっても、初っ端から力でねじ伏せるようなやり方より、その店に馴染んだ頃に徐々に集客率を上げていく方が良い。
その方がクラブからラウンジに以降する時にはスムーズに行くと思う。


私はその旨を告げて、
『そういう辛い思いをしても、どうしてもこの仕事がしたいかどうか。
 もう一回それを考えて欲しい。』
と告げた。


私自身この仕事を辛いと思った事は少ない。

一般に言われる辛い事・・・・例えば、口説かれる時はどういう風にかわしてその付き合いから色気を抜くかとか、また飲ませ方はどうすれば自分が未収をかぶらずに済むかとか、怪しい人に脅されたときはどうキレればいいかとか、・・・・そんな出来事の全ては私にとってどこか面白かったのだ。

すいすい泳ぐように楽しんでいる自分が居て。
必ず第三者の自分が居て、自分がどう乗り切るか見ている。
(つくづく嫌な女である。私という女は。)

楽しんでいるのはその人で(責任転嫁バリバリ)、実際表面上は泣いたり怒ったりはしているのだけれど、かといって辛い・・・・と思う事は少なかったように思う。

むしろ情を失った時、以前に書いたと思うが・・・・暖かいお客様を亡くした時、その時には本当に辛くてこの仕事に嫌気が差した事がある。
暖かさを知ると、感じなかった寒さを感じるようになる、そう言うと解りやすいだろうか。


あ、もうじき待ち合わせのお客様が来るので。
今日はこの辺りで止めておこう。
それでは。




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