オミズの花道
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『 着物のススメ 』
2004年03月23日(火)


最近は着物が多く、自分で着付けるようになった水上である。
モノグサ者が必要に迫られた時は結構な底力を見せるもので、何とか帯をお太鼓に結べるようにはなった。
別に私が器用なのではなく、この業界に居れば着付け教室に通わなくても、お太鼓くらいは結べるようになるかも知れない。ちょっとおかしければお姉様方がちょちょいっと直してくれるしね。

とはいえまだまだ未熟者。悪戦苦闘しながらやっと仕上がる次第である。
着物というのは帯結びもさることながら、胸元をいかにきちっとまとめるか、襟の抜きはどうかという、いわゆる結ぶ前の段階のほうが重要だったりする。
帯を何回結びなおしても中が着崩れないように着れたら合格ラインらしい(お姉様談)。

帯は最初は柔らかいものが結びやすかったりするのだが、馴れてくるときっちりとした堅いものが結びやすかったりする。何しろまだ芯のかっちりとした堅い帯は、お太鼓にするとピシッと四角が作りやすく、仕上がりに差が出るのだ。

時間が無い時は仕方が無いので『付け帯(別称・軽装帯、仕立て帯)』に頼る事もあったりする。付け帯というのはもうお太鼓の形が出来上がっていて、差し込んだり帯締めで締めるだけで良かったりするもので、馴れてない頃は非常に助かるアイテムなのだ。

出来上がりの仕立て帯と言っても馬鹿にしてはならぬ、これがまあ中々に便利で仕上がりも美しいのだ。そりゃ袋帯をキッチリと着付けた時の美しさには及ばないが、付け帯でも結んだように見せる技があって、使いこなせばそれなりに便利だ。
ただ難点は一枚の帯に比べると、やはり着ている重厚感が薄く、また途中の直しも利かなかったりする点がある。見る人が見れば解かってしまうしね。この業界、オネエチャンチェックがお客様よりも厳しかったりするから。

基本的に昔は水商売も訪問着や附け下げが主流だったのだが、最近はそうでもなく遊び心に溢れた物でもある程度は許されている。大島も着て良いし、小紋や名古屋帯もオッケー。洋服もラフになって来たから、着物も別にいい、という理屈だろうか?

いずれにせよ色んな着物が楽しめるのは嬉しいことだ。
着物というのは帯を変えたりすると表情がガラッと変わるのでバリエーションが意外と利くし、洋服やドレスよりもインパクトがあってお客様ウケもいい。


そして何より、口説かれる時の逃げ道になる。
着物を脱がしてみたい、という男の人は多いが、後のことを思うと・・・・というパターンらしい。
馴染みのお客様に『おっ今日はお断りモードだね』とも言われたりしたり。

勿論、自分で着れるの〜なんて普段からお客様には申してませんからこそ使える手段なのですけれども。



最近集めた着物を見て、ふと思います。
私はきっとこの商売を上がっても、この着物は着ちゃうんだろうな・・・・って。
その時にサッと着れたら、さぞかし気分がイイだろうな、と。

どんな職業でも、何かを楽しみ、学び、モノにして行くのはやはり自己の財産ですね。
いつまでも好奇心旺盛で在ろう、と思う水上なのでした。






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