オミズの花道
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『 恋をしたがる男たち 』
2004年02月18日(水)


彼は多分、恋をしたいだけで相手は誰でもいいのだ。
私で無くとも。


私にいきなりキスしてきた名前の同じお客様を、私は『兄(アニ)』と呼んでいるのだけれども、あれからアニについて少し解った事がある。彼は病気で不安なのではなく、また私を好いている訳でも無い。ただ単に恋を恋しがって適当に相手を見繕って味わいたいだけなのだろう。恋の気分、忘れていた感情を。
そこにお手軽な存在・・・・オミズである私が居ただけの事である。

彼だけではなく、この仕事をやっているとこういうお客様に遭う事が多い。多分彼等は男の第二の思春期を迎えているのだろう。実の所この仕事をやっていて一番危険な相手は、若造でもオジサマ方でもなく、この40歳寸前の世代だったりするのだ。


家庭や社会が安定すると、内面的な価値への欲求が高まり第二の思春期を迎えるため、と不倫願望を分析する専門家もいる。
実際に男性に接する機会の多い私は、彼等男性の年代別の思考や行動を見る事が多いので、この説にはかなり頷いてしまう。

私が苦痛に思うのは、この第二の思春期に当たっている男性には『気持ち』を要求される事が多い所だ。私の気持ちを邪推して突っかかられたり、一人で思い込んで拗ねられたりしても、私にとってはいい迷惑でしかない。

若い子のむしろ『肉欲のみ』の方がアッサリしていてまだいい。
オジサマ方の褒め上手の口説きの方がまだかわしようがある。
そんな風にさえ感じる。

考えてみると、若い子にはあっさり『否』と言えばいいのだし、オジサマにはご本人に『体力の限界』を自覚して戴ければいいのだ。

だがこの世代はまだ充分に体力があり、恋への執着もある。


けれどこれから先は?
その自己消失への焦燥感が、彼等を駆り立てる。

この対応には心底疲れてしまう。職業柄そこを上手くしなければならないのだが、時としてどうしていいか解らない相手も多い。


彼等は気が付かないのだ。
実際の所、思春期を過ぎてもそんなに変わるものではない、ということに。



・・・・少し疲れた。







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