日報ファイル
saki



 



豪奢な布更紗の衣擦れがさざめき

黄金の玉座が鈍い煌めきを放つ頃

時間の流れは今よりも緩やかだった


白銀の冠を頂いた山々が見守り

毎日を生きる人々の汗が光る頃

時間の流れは今よりも穏やかだった


映像と騒音が交錯・同調し

幾何学的な硝子の建築物が冷たい影を映す頃

時間の流れは今よりもっと駆け足だった


宇宙に浮かんだ星々が囁き

太陽でさえその輝きを失い墜ちる頃

時間の流れはそれでも過去と未来を紡いでいた


時は逝き

時が在り

時の来る…


未知の何かを引き連れて。



2001年06月28日(木)
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