日報ファイル
saki



 


永く…短き
人の歴史の  
語り手の

語り継ぎ
言い継ぐ言葉は  
ただひとつ。

悠久の時を生き  
その身の内に
炎を宿す…

たった唯一の
最後の炎竜。

鱗は青銀
皮膚は苔色
霧の衣を身に纏う…

そしてその瞳に
炎の強さを。

けれど
長きにわたる
苦しみに
癒されることない
その身体…

理不尽な
時の流れが
連れてくる
最期の刻。

その咆哮
天に響く時
それが
約束された明日…

寂光照らす
夜明け前

三日月は
地球照に輝き
空が最も
美しい一瞬。

鎮魂歌を
讃じながら
御使いが
降りてくる…

右に
救い手、
左に
癒し手。

救われし…
癒されし炎竜
その死が示すものは
世界の終焉。

終焉はまた
再生…

ひとつの終わりから
生まれる
ひとつの始まり。



…新世界が 生まれる…



2001年04月01日(日)
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