ケイケイの映画日記
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2023年10月31日(火) 「ドミノ」




監督のロバート・ロドリゲスは、好きな監督です。でも「アリータ・バトルエンジェル」は飛ばしたので、随分とお久しぶりな気がします。ファミリー向けの「スパイキッズ」も楽しかったですが、基本的にはB級テイストの監督さん。今回は、長年ハリウッドのメインを張るベン・アフレックが主演のサスペンス。どうなんでしょうか?と、ワクワク期待して観てきました。うん、主演はA級だけど、楽しめるB級でした(笑)。

数年前、最愛の娘ミニーを誘拐され、今も生死不明の刑事のローク(ベン・アフレック)。哀しみが癒えぬ彼は、カウンセリングを受けながら、毎日を過ごしています。ある日、銀行が襲われるという通報があり、同僚と見張っていると、見覚えのある男(ウィリアム・フィクナー)の姿が、目に留まります。次々と不思議で不信な出来事が起こり、行きがかり上、ロークは占い師のダイアナ(アリシー・ブラガー)を連れて、逃亡する羽目になります。

ストーリーは現実世界だけでは、ありませんでした。ちょっと「インセプション」みたいな感じ?でもSFチックだった「インセプション」と比べて、こちらは超能力ですから、断然話が解り易い!そして軸になるのは、父親だけではなく、母の愛も描かれて、娘への命がけの愛情が貫かれ、結構泣かされます(泣いてないけど)。そこには哲学も科学もなく、一途に子供の自由を守りたい家族の愛なの。これも気に入りました。

一発芸的な「メメント」で名を上げ、いつの間にやら巨匠の仲間入りをしたノーランが、時々高尚な味付けを仕込んでくるのに対して、こちらロドリゲスは、あくまでラテン的賑やかさを振りまき、ちょっと泥臭い。そのロドリゲスにしたら、この作品は、かなり洗練されていると思います。

でも敵役に、普通は三番手くらいのフィクナー、ヒロインはブレイクも半ばで中年になったブラガーと、そこはかとなく漂うB級感が、何故かとても嬉しい(笑)。それで主役がベンだもんね。花形役者だけではなく、監督としての力量も一級品のベン。次代のイーストウッドだと誰しも想起する彼が、大作でもない作品で、力いっぱい演技だけする姿は、何だか清々しいのね。再会した娘とのシーンなんか、こっちまで胸が熱くなっちゃった。

バンバン撃たれちゃうのに、死ななかったローク。あれ?警官だから、防弾チョッキ着てたのか?とか、ブロンドで如何にも白人の母なのに、何故娘はラテン系の顔立ちなの?とか、頭の片隅に残っていたことも、謎解きしてくれます。

まぁ娘の隠れ場所は、あんなところ、すぐ判るだろうと思いますが、その辺のご都合主義は、美人に成長した娘ちゃんに免じて、不問と致そう(笑)。次から次のどんでん返しは、私は全然解りませんでした。なのでとっても面白かったです。ほぉ〜ほぉ〜と、感心しながら観ちゃった。肩の力を抜いて楽しめる、プログラムピクチャーです。



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