ケイケイの映画日記
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2009年06月13日(土) |
「ターミネーター4」 |
本日より公開。実を言うと、先行上映で先週の日曜日に観ています。忙しかったので書けなかった、というのもあります。でもそれ以上に、めでたさも小くらい、という感想なので、書くにも燃えるもんがないのだねぇ。それが延び延びになっていた最大の理由です。
2018年。スカイネットが起こした審判の日を生き延びたジョン・コナー(クリスチャン・ベール)は、抵抗軍として戦士として戦っています。そんな時、マーカス・ライト(サム・ワーシントン)と名乗る人物と巡り合います。マーカスは敵か味方か?意外にもマーカスは、将来ジョンの父親となるカイル・リース(アントン・イエルチン)と関わりがありました。
このシリーズには愛着があってですね、皆さん不評の「3」だって結構楽しめた口です。いや内容はほとんど忘れていますが、クリスタナ・ローケンの女ターミネーターが気に入ったんでね、全然大丈夫でした。しかし!今回のターミネータって、全然「人間もどき」ではないのですね。アンドロイドではなく、ロボットなわけ。それで巨大化したりですね、「トランスフォーマー」かい!の場面が出てきたり、荒廃した町は、懐かしの「マッドマックス」のようです。
確かにお金をかけたアクション場面は、華麗ではなく重厚でキレがあり、見応えは充分。ストーリー的にも格段文句があるわけじゃないです。でも私的にはどれもこれも「フツー」。それで?という感じなんですね。
今日は「2」がテレビ放映されていましたが、T800とジョンの交流、狂信的になっているサラの心を、幼いジョンが抱きとめる風景など、隋所隋所にドラマ部分にも厚みがあり、それが悲観的で壮大な未来感に、光明を感じさせる部分でもあったと思います。それが今回ほとんどなし。あのラストで感じろと言われてもあなた、安直過ぎです。
アクションだって、私がこのシリーズに期待しているのは、どんな魅力的な敵方ターミネーターが出てくるか?なんで、この作品のように、別に「ターミネーター」でなくてもええやんけ、的なロボットでは不満です。アクションもお金をかけて大迫力!というのではなく、「2」で見せたシュワちゃんのライフルさばき(劇場で観た時、私が「わー、かっこええ!」と言うと、夫が「あれは『ライフルマン』でもやっていた。」と言っとりました。チャック・コナーズ?)や超人同士の肉弾相撃つ戦いであって、こんな壮大なもん、あんまりいらんわけ。
今回ワーシントン演じるマーカスが謎の存在として出てきますが、私はオチが予想出来たので、これも不発。ただしワーシントンは好演で、非情になりきれない男の心情を、男っぽさの中に微妙に見え隠れさせて、とても魅力的で、ベールより数段魅力的。でも数段って、あかんでしょ?
今回私が大いに期待したのは、御贔屓ベールがジョン役だったこと。しかし華がないのにも程がある!という地味さ加減です。「ダークナイト」でも同じこと感じましたが、あれはヒース・レジャー、一世一代という名演技の遺作ということで、割り引いて観てあげねばと同情的でしたが、今回反論の余地なし。主役がこの存在感の薄さは何?将来自分の父となるカイルは、過去に送り込むことで死ぬ運命なのは周知のこと。少年の頃のカイルを見つけ出した時など、もっとこう、瞬間的に観る側に複雑な幸福感を見せる演技をしないと。夫が夫なら嫁役のブライス・ダラス・ハワードもダメダメ。こんなに魅力の薄い彼女も初めてです。この役は、いてもいなくても一緒。ついでに妊娠している設定も、全然生きてないし。
と夫に不満を言うと、「妊娠は続編作りそうやから、それで使うんちゃうか?」とのこと。なるほど。それが戦犯やな。調べると後2作作る予定だとか。だから壮大な前振り的な、大味な作品となったんですね。この頃こういう作りの大作が多いですが、この風潮は何とかならんもんでしょうか?連続ドラマやないねんから、一本一本で勝負してもらいたいもんです。
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